ニッポンと、銭湯

温泉や、銭湯。
広~い湯船につかり、リラ~ックスして、日頃の疲れを癒やす至福のひととき。
あちらこちらで温泉や水が湧く、日本ならではの贅沢のひとつです。

京都には、豊かな地下水を活かしたまちなかの銭湯が数多く残っていますが、人々の生活様式の変化に伴い、年々その数は減っております。

今年のはじめ、明治時代から続く、ある一つの銭湯がまさに廃業の危機にありました。
そこで、銭湯をこよなく愛し、その場で生まれるコミュニケーション・文化を「のこしていきたい」と本気で考えるひとりの若者が今年から経営を受け継ぐことに。日に日に、魅力的な銭湯になるよう工夫を重ね、いま、日本中から注目をあつめる場所となっています。

それが、五条楽園にある〈サウナの梅湯〉です。

入浴してきた銭湯の数、600軒以上。
平成生まれの銭湯活動家・湊三次郎さんが、京都の老舗銭湯を受け継ぐまで。

銭湯活動家であり、梅湯の番台(店主)をつとめる湊三次郎さん。現在25歳。
大学進学を機に京都に暮らし始め、日常的に銭湯に通いだしたことで、その魅力に開眼。

学生時代、銭湯サークルを立ち上げ様々な活動を行うかたわら
これまでになんと、京都に200軒ちかくあるすべての銭湯へ足を運び、日本全国で総数600軒以上の銭湯に入浴してきたそうです。

大学卒業後は、大手アパレルメーカーに勤務していたものの、今年1月に退職。偶然そのタイミングで、かつてアルバイトで番台を手伝っていた「梅湯」が廃業の危機にあるとの話が舞い込み、経営を受け継ぐことに名乗りを上げました。
自ら何百万円ものリスクを背負っての設備投資を経てリニューアル、今年5月より
〈サウナの梅湯〉は新たなスタートを切りました。

梅湯の魅力

〈サウナの梅湯〉は五条楽園 高瀬川が流れる木屋町通りにあります。
創業は明治時代といわれており、京都のなかでも最も古い部類に入る銭湯です。

脱衣場・浴室ともに、時代ごとに改装が行われ、随所に明治・大正・昭和の趣を残しつつ湊さんのセンスとホスピタリティが加わったことで、明るく、清潔感のある空間になっております。

まずは、銭湯としてのファシリティを、実際に入浴して体感しました!
入浴料は420円(中人150円 / 小人 60円)。貸しタオル30円、シャンプー30円、ボディーソープ40円。

タオルやシャンプー・ボディーソープは備え付けではありませんが、合計しても100円。手ぶらで入浴することも可能です。

梅湯・オリジナルタオルは420円で販売中。240匁と通常の銭湯タオルよりも厚め。お土産にもおすすめです。

Kenta Babaさん(@kenta_b)が投稿した写真 – 2015 12月 1 4:27午後 PST

もちろん購入。ほんと良いですこれ。

男湯

女湯。壁面が鏡張りの銭湯は、京都に2軒ほどしかないらしいです。

お風呂の種類はジェット風呂、日替わり薬風呂、電気ふろ、サウナに天然地下水の水風呂というラインナップ。

“サウナの梅湯”というだけあり、サウナが通常の銭湯よりも広く、さらにはガラス張りになっていて、より心地よい開放感のなか汗をかくことができます。

そして、水風呂が、広くて深い。超気持ち良いです。サウナ好きとしてはたまりません。湊さんは「これといった特徴はないですよ~」と謙遜していたけれど、「まちのお風呂屋さん」として寸分の隙もありませんでした。

湊さんのセンスが光る、電気風呂のサイン。梅湯の電気風呂は強めに設定してあります。

コミュニティとしての、梅湯。

梅湯ではより、多くの世代の人に銭湯に足を運び、リラックスしてもらうために、湊さんによるさまざまな工夫が散りばめられています。

リニューアルに際しては「まずは、明るく、入りやすいように」と入り口の扉を変え
以前は入ってすぐにロッカー、男湯と女湯に分かれていたものを
番台の位置をずらし、脱衣所を狭める形で休憩スペースを創出。

テレビがあるのはもちろん、20時半から整体が受けれるスペースも。(※整体は別途料金。不定期にて実施中)

それから、喫煙可能かつ趣きのある中庭もあります。これらの場所で、お風呂あがりに飲むコーヒー牛乳など至福のアフター入浴タイムをたのしみましょう。

梅湯の「助っ人」さんによる、週1替わりのBOOKコーナーもあります。今週は三島由紀夫。試し読みも良し、購入も可能。

そして、梅湯は旅行者にはとてもうれしい「Free Wifi」です。緊急のメール対応が必要になったビジネスマンも、最近通信料制限がかかっちゃって…という人も,梅湯に行けばだいたい解決!