粉屋珈琲

心地よい町家コーヒー店でのんびりモーニング

―文:中村慶子、写真:本間腕

 

休日のスタートはおいしいモーニングから。大徳寺の少し北に、京町家でスペシャルティコーヒーを提供する「粉屋珈琲」があります。

店内入ってすぐの土間に焙煎機とテーブル席があり、奥は長細い空間とともに立派なカウンターが伸びています。カウンター席のどっしりとした木のイスに腰かけ、2種のモーニングのうち「朝クロワッサン」(600円)を注文しました。コーヒーは味のバランスのよい「ブラジルベース」の看板ブレンドを選択。店を一人で切り盛りする店主がサイフォンでじっくり抽出してくれます。サイフォン式ならではのさっぱりしたコーヒーを飲みながらほおばる焼き立てクロワッサンも美味。ゆで卵や彩りよいサラダもついています。

こちらの店は、スペシャルティコーヒーのストレートにも定評があります。スペシャルティコーヒーとは生産地や農園が特定されていたり、味や香りがハイスコアだったりと高品質なコーヒー。「粉屋珈琲」では常時5、6種を用意しています。インドネシア・アチェの「マンデリン」(カップ500円/100㌘540円)はなめらかながらコクと苦味も持つ定番の豆。定番以外は店主がセレクトしたいろいろな豆を仕入れています。例えば、訪れたときメニューにあったジャワの「ジャバロブ」は、「万人受けはしませんが、冒険心で仕入れた野性味あふれる豆です」。過去には、直接インドネシアを訪れて仕入れてきた、ジャコウネコの糞から採る未消化のコーヒー豆「コピ・ルアック」をメニューに加えたこともあり、話題を呼んだそうです。

コーヒーの味はさることながら、ほのぼのとした雰囲気もお店のよさです。「客層は60、70代のご近所さんが多いですね」。この日もシニア層のお客さんが多く、女性3人組がおしゃべりを楽しんでいたり、少し離れて男性が趣味の本を開いて書き物をしていたり。店主が常連さんへ時々丁重にツッコミを入れるのを聞いていると、面白くてこちらまでニヤり。京都にあこがれて大阪から移り住んだ店主も、すっかり京都の人だと分かります。

シニア層と接する時間が多いためか、「ときどきお客さんに若い男子や女子が来ると、ちょっと緊張しちゃうんですよ。もちろんとてもうれしいんだけど」と低音でじんわり楽しそうに話す店主。一見さんらしきお客さんにも気さくに接する横顔を見ていると、店主がお客さんから愛される理由が少し分かった気がしました。「世界中いろいろあるコーヒーの中から、好きなコーヒーを見つけてほしいですね。お好みの味を尋ねたり、新しく入ったコーヒーをお勧めしたり。お客さんとのそんなやり取りが楽しいです」。店主に会いに、そしておいしいサイフォンコーヒーを飲みに、ぜひ訪れてほしいお店です。

 

粉屋珈琲

住所:京都市北区紫竹西高縄町48-1地図

TEL:075-204-1396

営業時間:8:00~18:00

定休日:月曜

WEBサイト:http://konaya-coffee.net

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