鳳泉(ほうせん)



京都中華の原点、ここにあり。

―文・写真  / 馬場健太

  「京都の中華(料理)は美味しい」   これまでに何度かその言葉をきいたり 雑誌などで目にしたことがあったものの 実際に食してみるまでは、よくわかっていませんでした。 京都で中華?どういうこと?と。   ここ数ヶ月間の滞在中に 京都の方に「ここほんとに美味しいから」と いくつかの「とっておきマイ・ベスト中華」に連れていってもらったことで 疑問が確信に変わりました。   京都の中華、超ウマいです。最高です。   味をしめてからは、京都で「中華行こう」と言われれば 問答無用でYESですし、京都を出ればむしろ 「京都の中華って本当に美味しくてさ!」と言いふらす側になっております。 伝道師的な使命感を燃やすまでになっております。     2-IMG_1634

京都中華のルーツとは?

そんな使命感を燃やしておきながら、恥ずかしいことに 「いったい誰が、京都の中華を美味しくしたのか」を全く存じあげておりませんでした。 急ごしらえで勉強しましたところ、 「京風中華の礎」を築いたのは 大正時代に来日した中国人コック、高華吉(こうかきち)さんという方で 京都ではじめての中華料理店「支那料理ハマムラ」で料理長を務めた人物なのだそうです。 高さんはそれまでは和食の街・京都になじまなかった中華料理を京風にアレンジ。 独立後は〈飛雲〉〈第一樓〉といったお店を構え、 最後にオープンした〈鳳舞〉がいわば「京風中華の集大成」だったそうです。 その〈鳳舞〉は2009年に惜しまれつつ閉店したため、いま僕たちが京風中華のルーツに触れることはできないのか... 01-IMG_1786_1 と思いきや、です。前置きがたいへん長くなってしまいましたが その〈鳳舞〉の味を受け継ぐお店のひとつが、今回ご紹介する中華料理店〈鳳泉〉です。 なんといっても、〈鳳泉〉の料理長・福田さんは 42年間〈鳳舞〉で鍋を振っていたお方で 受け継ぐどころか、その腕のなかに「京風中華」のルーツが 宿っているといっても過言ではありません。

 

  09-IMG_1810_1 ここでは、高さんが編み出した、いわゆる王道の「京風中華」を味わうことができます。香辛料はほとんど使わず、素材の味を活かしたシンプルで上品な味。あっさりしているけれど、味わい深い中華。   06-IMG_1803_1 看板メニューのひとつ「エビカシワソバ」。鶏ガラスープのあんかけに絶妙にマッチした程良いからしの香りが口全体にひろがります。   10-IMG_1812_1 11-IMG_1815_1 衣をつけて揚げた鶏肉にピリ辛のソースをかけた『カラシミソ』も必食の美味しさです。 個性が際立ちながら、さりげなくて奥深い。中華のひとつの進化形であり、これもひとつの「京料理」なのではないかと思います。   08-IMG_1808_1 春巻きには筍がたっぷり。京都中華ではこの形が定番なのだそうです。   03-IMG_1791_1 常連の方は、こちらのメニューからオーダーしておりました。はじめて入った方も、写真つきメニューがあるため安心です。   3-IMG_1635 ライチやきゅうりが入った「酢豚」や、シャリシャリした食感のくわい入りの「焼売」も、京都中華ならではのアレンジが効いており人気のメニューだそうです。   京都の中華はどこも「食べてみないとわからない」美味しさがあります。共通しているのは、皿の上での、京都と中華の「一生一緒にいてくれや」といわんばかりの完全なる融合。   04-IMG_1795_1 〈鳳泉〉の中華を食べて、「料理ってすごい。料理人ってすごい」とあらためて思いました。驚きと嬉しさに溢れた京風中華の扉を、ぜひここから開けてみてください。   余談: 高華吉さんが大切にしていた言葉は 「郷に入れば郷に従え」だったそうです。 説得力がありすぎますね。   1-IMG_1327 〈鳳泉〉 住所:京都市中京区河原町二条上ル清水町359 AXEABビル1F 電話:075-241-6288 営業時間:平日11:30~14:30 / 17:00~20:00 土・日・祝 11:30~20:00 定休日:月曜(月曜祝日の場合は、火曜休)  

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