KYOTO HATAGOYA

「京都の街を、暮らすように旅する」

―文:小西尋子、写真:本間腕

修学旅行や観光で何度か訪れたことのある京都。有名な観光地巡りもいいけれど、もう少しのんびりと、京都の人たちの暮らしの片鱗をのぞき見られるような落ち着いた旅がしてみたいという、旅の上級者におすすめしたいのが、今回の一軒家貸切宿泊の旅プランだ。

まず一軒目の宿は、「KYOTO HATAGOYA 若宮五条」。京都駅から地下鉄で一駅の烏丸五条駅を降りて、五条通の北側の道を西に歩くこと5分、途中、クリエーターの店が集う「つくるビル」を通り過ぎたらすぐの角、若宮通を北へ。大通りから数歩入るだけで、民家が立ち並ぶ昔ながらの京の町並みへと、通りは景色を変える。

町に紛れるようにひっそりとかかった濃紺の暖簾をくぐると、奥へと続く狭い路地。かつての長屋だったころと同じように2つの家が連なっている。京都は1200年以上も昔に都として町が完成していたため、細い路地が多くこのような長屋もまだ多く存在する。予約時に伝えられた暗証番号でドアを開けると、スッキリとした清潔感溢れる空間が広がる。手前の家も奥の家もそれぞれにキッチンがあり、風呂またはシャワー室があり、団欒の部屋、寝室が備わっている。 

「キッチンがあるだけで、生活感がぐっと増します」と、空き家再生事業の一環として宿泊業を手がける株式会社ワンブロックの辻本氏は言う。確かに、歩いてすぐの場所に地場のスーパーがあり、24時間営業なので食料も酒もすぐに調達できるのに加え、コンロや冷蔵庫、電子レンジはもちろん、ワインオープナーやワイングラス、電器鍋などホームパーティに欠かせない小道具まで揃えてあるのが心憎い。便利な場所だから、ふらっと観光に出かけて、家でゆっくりご飯を食べる人が多いというのもうなづける。部屋が2つあるので寝室を分けることもできるとビジネスで利用する男性2人客にも喜ばれているそうだ。そして何より、3人で泊まれば、1泊1人6,000円~と大変リーズナブル。近郊に住んでいても会社の宴会やママ会の集まりなど工夫次第で活用の幅はどんどん広がりそうだ。

歴史を感じる京町家で生活してみたいと思われる方に是非おすすめしたい、とっておきの一軒が、「KYOTO HATAGOYA 上七軒」だ。江戸時代に芸妓中心の花街として反映を極め、いまもその風情を残す上七軒に建つその家は、昔の贅沢な木材でつくられた梁や欄間、間取りなどはそのままに、キッチンやお風呂などの水回りには現代の便利さを融合させた豪奢な邸宅へと姿を変えている。

 

一階には、客人を前に座らせて会話しながらおもてなしができる対面式カウンターキッチン、清潔でゆったりとした檜風呂、庭の景色を眺めつつ団欒できる居間があり、二階は寝室のみとなっている。こちらには現代の住まいでは姿を消しつつある床の間や、部屋と外との間に板の間があり、昔の暮らしの精神的な豊かさに触れることもできる。この家を拠点に上七軒の狭い路地を縦横無尽に歩き回ることができたら、京都の町を本当に身近に感じられる特別な旅になることは間違いないだろう。

上七軒の家の同じ敷地、道に面した側にもう一軒の小さな御宅がある。こちらが2017年2月に新築したばかりの「KYOTO HATAGOYA 上七軒(表)」である。

ここは先ほど紹介した家のガレージスペースに建てられたいわゆる狭小住宅である。狭い土地を有効に利用するステップフロア設計になっているのだが、階段一段の大きさ、それぞれのフロアの天井高など計算し尽くされていて、より現実的に日々の暮らしそのものが体感できる。マンションでしか暮らしたことのないお子さんのために、一軒家の暮らしを体験させたり、これから家を建てようと思っている人なら実際に住んで新築のヒントを探したりするのもいいかもしれない。

今回3つの家にお邪魔させてもらったが、三者三様の良さ、使い勝手があり、すべての家に「あったらいいな」がさりげなく用意されている。旅館やホテルのように近くに従業員がいることもなく、仲間や家族だけのプライベートな空間を楽しみつつ、そっと見守るかのように万全の準備とセキュリティで守ってくれているKYOTO HATAGOYAの宿で、プチ京都暮らしを体験してみてはいかがだろうか。

〈KYOTO HATAGOYA〉

住所:【若宮五条】京都市下京区布屋町若宮通五条上る92(地図

   【上七軒】京都市上京区五辻通七本松西入西柳町57(地図

TEL:080-9426-7515

WEBサイト:http://www.kyoto-hatagoya.com/

お問い合わせ:contact_us@kyotohatagoya.com

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