長楽寺

平家ゆかりの寺で除夜の鐘を撞く

―文:大木由美、写真:岡タカシ

写真提供:鈴木惠一(JLC)

 

祇園の賑わいから徒歩5分あまり、円山公園の奥に静かに佇む「長楽寺」。建礼門院が平家滅亡後に出家した寺として知られ、建礼門院御影や安徳天皇の御衣幡(直衣を幡に作りかえたもの)など平家ゆかりの寺宝も数多く残されている、由緒あるお寺です。

平安時代以来の紅葉の名所としても知られ、西行が「山家集」で「わざと時雨の染むる紅葉を」と歌ったり、江戸末期の文人・頼山陽が「濡れて紅葉の長楽寺」と「京の四季」の一節に詠んだりしたことでも有名です。また、室町時代の相阿弥作と伝えられている、裏山を借景とした庭も見事ですが、もうひとつ、このお寺には隠れた見どころがあります。それが、大晦日の除夜の鐘撞きです。

長楽寺の除夜の鐘は、お坊さんだけでなく一般の人が撞くこともできるのが特徴です。鐘楼は本堂横にあり、「長楽寺の鐘」として地元の人にも広く親しまれてきました。明暦3(1657)年に鋳造された梵鐘は残念ながら戦時中に一度供出されましたが、その後、昭和31(1956)年に再興し、よみがえった黄鐘調(おうじきちょう)の音色は、今も毎年大晦日の夜に京の町に響いています。

除夜の鐘撞きは、1月1日0時から1時まで行われます。当日は朝の9時から整理券を配布しているので、夜になって慌てて列に並ぶ必要はありません。撞いている間も整理券は配布しますが、どうしても鐘を撞きたい人は早めに整理券を取りに行きましょう。1枚500円で、お札とお守りが授与されます。

大鐘を17人の僧侶で撞くことで有名な知恩院から、徒歩約7分と近いのも嬉しいところ。知恩院の除夜の鐘を見学した後、大晦日の円山公園を散策しながら長楽寺へ向かい、除夜の鐘を撞く「除夜の鐘満喫プラン」も立てられます。八坂神社まで足を伸ばせば、お正月行事の「をけら詣り」にも参加できるので、京の大晦日とお正月をぜひ様々な形で味わってみてください。

 

長楽寺

住所:京都市東山区八坂鳥居前東入ル円山町626(地図

TEL:075-561-0589

除夜の鐘:1月1日0時~1時 当日9時~ 整理券配布

料金:志納500円(御札・御守)

WEBサイト:http://www.age.ne.jp/x/chouraku/

 

★山村純也さんによるTRAVEL IDEA「京都で過ごす大晦日」、次にご紹介するSPOTは「八坂神社」です。

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