錦市場・祇園・花見小路

京の台所「錦市場」と祗園・花見小路で年末の雰囲気を楽しむ

―文:大木由美

「師走」の言葉通り、年末が近くなると京の町もいつもより慌しい雰囲気になります。京の台所と呼ばれている「錦市場」は、お正月の買出しに来る人々で大賑わい。隙間なく軒を連ねる商店から響く威勢の良い呼び込みの声や、大きな買い物袋を抱えて楽しそうに歩く人々を見ていると、こちらもつい買いすぎてしまいそうになるので要注意。

おせちの定番、黒豆なら黒豆専門店の「黒豆茶庵 北尾 京の台所・錦店」へ。創業は文久2年(1862)の老舗で、ブランド黒豆「新丹波黒」を取り扱っています。「北尾さんの黒豆でないとふっくら炊けへん」と指名買いをするお客さんもいるほど。

だし巻きなら、1928(昭和3)年創業のだし巻き卵専門店「三木鶏卵」へ。甘みやコクの強い利尻昆布からとる秘伝ダシと新鮮卵を、職人さんたちが特注の細長い銅鍋を使って素早く巻き上げただし巻きは冷えても美味しい逸品です。

田作や筍にしめなどの佃煮なら多種多様なお惣菜が並ぶ「井上佃煮店」、昆布巻きはもちろん、お雑煮の出汁用昆布を買うなら老舗のおこぶ屋さん「京こんぶ 千波(ちなみ) 」か「若狭屋高橋」がオススメ。お雑煮に欠かせない餅は餅職人の「錦 もちつき屋」に、京都の年越しの定番「にしん蕎麦」なら鍋焼きうどんの美味い「冨美屋」で……と、とても一日では回りきれません。また、年末の人出は相当なもの。歩いているだけでも疲れてくるので、そんな時は市場の喧騒を離れてお茶屋さんでちょっと一息入れましょう。

 

祇園の中心にある花見小路通は、老舗の料亭やお茶屋さんが立ち並ぶ通りです。町屋を利用したおしゃれな飲食店もたくさんあります。

京都ならではのスイーツなら元お茶屋さんの甘味処「ぎをん小森」で。市場の熱気でほてった体に、名物わらび餅の入った抹茶パフェの甘さと冷たさが染み渡ります。ほっこりお抹茶を楽しみたいなら、祗園で江戸から続く甘味処「鍵善良房 四条本店」でお抹茶と和菓子を召し上がれ。京洋菓子の「ジュヴァンセル 祇園店」では、祇園店限定の祇園フォンデュが人気。季節のフルーツや羽二重餅、お団子など様々な具材を抹茶にディップしていただきます。

お正月の買い物を済ませてお腹も満たしたら、最後は祗園の端にある辰巳大明神で一年最後のお参りをしてみては?小さなお社ですが、前に架かる巽橋と共に古都の風情たっぷり、祇園の芸舞妓さんからの信仰を集め伎芸上達にご利益があるそうです。

 

〈錦市場〉

住所:京都市中京区富小路通四条上る西大文字町609(地図

営業時間:店舗によって異なる

 

〈花見小路〉(地図

 

〈辰巳大明神〉(地図

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