千本釈迦堂・了徳寺

京の冬の風物詩「大根焚き」を味わう

―文:大木由美

 大根焚き(だいこだき)とは、京都で11月から12月に行なわれる年中行事のこと。寺院などで大根を煮たものを参拝者に振る舞い、仏前に供えます。

元々は釈迦が悟りを開いたことに感謝する法要で、悟りを開いたとされる12月8日の付近、大体11月から12月前半の間に行われています。由来や意味合いは寺院により大きく異なりますが、大量の大根を煮て振る舞うというのは共通です。今回は、その大根焚きで有名な二つの寺院をご紹介します。

千本釈迦堂1

まずは、「千本釈迦堂」と呼ばれて親しまれている大報恩寺。元は、鎌倉時代に茲禅上人(じぜんしょうにん)によって始められた「成道会(じょうどうえ。釈迦が悟りを開いたことを記念して行われる法要のこと)」です。釈迦が修行中に悪魔の誘惑に負けず、12月8日の明星出現と同時にさとりを開いたことにあやかって、法要の度に4本の大根を縦半分に切って8本とし、切り口に釈迦の梵字(ぼんじ)を書いて供え、参詣者への悪魔除けとされました。

千本釈迦堂2

千本釈迦堂3

今も梵字を書いた大根を加持祈祷した後、輪切りにして直径約1メートルの大鍋をいくつも使い、油揚げと一緒に昆布だしとしょうゆでじっくりと炊きあげます。輪切りの大根3つとお揚げで1,000円。この大根を食べると、中風(風邪)など諸病除けになるとされています。

名前を書いて中風封じや無病息災を祈祷してくれる生大根(1,000円)を販売する物販コーナーや、漬物などを扱った売店もあり。

―写真:岡タカシ

了徳寺1

次は、通称「大根焚寺」と呼ばれるほど、大根焚で有名な了徳寺。大根焚の始まりは建長4(1252)年、この地を訪れた親鸞聖人に、説法のお礼として村人が塩味の大根焚を供したことが始まりといわれています。

毎年12月9・10日に行われる大根焚は、前日から準備が行われます。大根の産地、亀岡市篠町から届けられる青くび大根は、なんと3,000本!境内にずらりと並べられた大量の大根を切り出して、大きな樽に詰めていきます。大根焚の当日は、準備された大量の大根を早朝から大鍋で炊き込みます。

了徳寺2

了徳寺3

この大根を口にすると中風にかからないご利益があるといわれ、約1万人の参拝者に振る舞われます。

大根と揚げどうふ一枚で1,000円、大根に加え、昔ながらの薪で焚かれたかやくご飯と大根の葉のおひたし、たくわんが添えられた一膳が1,600円。大根の味付けは、しょうゆと塩の二種類。親鸞聖人の故事にあやかって、塩味の大根焚きがオススメ。

了徳寺4

 〈千本釈迦堂 大報恩寺〉

住所:京都市上京区七本松通今出川上ル(地図

電話:075-461-5973

HP:http://www.daihoonji.com/

日時:大根だき授与12/7~/8(※毎年同じ日程です) 、10~16時

成道会12/8 10時~

料金:1,000円(大根焚き。拝観は無料)

 〈了徳寺〉

住所:京都府京都市右京区鳴滝本町83(地図

電話:075-463-0714

大根焚:12月9・10日 9:00~16:00
※大根焚は有料

 大根志納券(1,000円)

お斎(おとき)券(1,600円)

HP:http://www.ryoutokuji.or.jp

★長友麻希子さんによるTRAVEL IDEA「京の冬の食を旅する」、次にご紹介するSPOTは「矢田寺」です。

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