知恩院「除夜の鐘」

「えーいひとつ」「そーれ」の掛け声のもと、僧侶17人がかりで鳴らす除夜の鐘

―文:大木由美 

 

 

京都で除夜の鐘といえば、有名なのが知恩院。大晦日のテレビ中継で、大きな釣鐘を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。「この音を聞かなければ1年が終わらない」という地元の人もいるほど、京都の師走には欠かせない風物詩です。

高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トンという巨大な釣鐘は、京都方広寺、奈良東大寺にある釣鐘とともに日本三大梵鐘のひとつに数えられています。寛永13年(1636)に鋳造され、大鐘を支える鐘楼は延宝6年(1678)に造営されました。

普段は境内に静かに佇むこの大鐘が鳴らされるのは、法然上人の御忌大会(4月)と大晦日の除夜の鐘だけです。とりわけ除夜の鐘は親綱1人と子綱16人の17人で撞く大仕事。親綱を引く1人は綱に逆さまにぶら下がり全体重をかけて鐘を撞き、子綱を持つ残りの16人は、撞く時以外に撞木(しゅもく。鐘を撞く木の棒)が鐘に当たらないよう子綱を引いてブレーキをかける、17人の息の合った連係プレイが必要になります。タイミングがずれると、きれいな音が出ません。※鐘撞きは僧侶のみ。一般の方は撞けません

「えーいひとつ」「そーれ」の僧侶の掛け声に、見ているこちらも思わず息を合わせて力を入れてしまいます。約1分間隔でひとつ、またひとつと大晦日の夜空に厳かに響く鐘の音に耳を澄ませ、ゆく年を見送りましょう。

ただし、日本全国でもことに有名な除夜の鐘の名所なので、大晦日当日は混雑必至です。毎年3万人から5万人が訪れるといわれ、三門の下まで長い行列が続き、静かに除夜の鐘の音に浸るというわけにはいきません。

一年の最後に人混みに揉まれたくない!でも一度でいいから知恩院の鐘撞きが見たい!という方は、毎年12月27日の午後に行われる試し撞きに出かけるのがオススメ。こちらも人出は多いですが、大晦日当日ほど混雑はしません。

試し撞きに参加するお坊さんは20名以上、初めて鐘を撞くお坊さんもいらっしゃいます。タイミングが合わず失敗することがあっても、そこは予行練習のご愛嬌。1人2回ずつ鐘を撞いて、よい音を響かせることのできた17名が、大晦日の本番に選ばれるのです。試し撞きの時間は14時の開始から1時間ほど。よい場所で見物をしたい場合は1時間前には並んでおく必要がありますが、開始後30分ほどすると徐々に人も減ってくるので、あえて遅い時間に行くのもオススメです。

 

知恩院

住所:京都市東山区林下町400(地図

電話:075-531-2111(代)

除夜の鐘:

12月31日20時00分から 参詣者入口 開門

22時40分から 除夜の鐘 開始

23時頃 閉門

※参詣者は見学のみとなります

HP:http://www.chion-in.or.jp/

 

★山村純也さんによるTRAVEL IDEA「京都で過ごす大晦日」、次にご紹介するSPOTは「長楽寺」です。

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