八坂神社「をけら詣り」

京の正月の風物詩「をけら詣り」を見に祇園さんへ

 ―文:大木由美

 

祇園の東にあるランドマーク、朱塗りの立派な「西楼門」が目印の八坂神社は、全国にある祇園神社(約3,000社)の総本社。地元の人からは「祇園さん」の呼び名で親しまれています。

その創祀は古く、斉明天皇2年(656)と伝えられ平安遷都がなされた延暦13年(794)以前よりこの地に祀られていたとされています。素戔嗚尊(すさのをのみこと)、櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、八柱御子神(やはしらみこがみ)を祭神とし、厄除け・疫病退散・商売繁昌・良縁成就・試験合格・病気平癒のほか、各種厄払いなども御祈願できる霊験あらたかな由緒ある神社とあって、いつも多くの観光客で賑わっています。

祇園さんで有名なお祭といえばやはり、祇園祭。毎年7月1日から1ヶ月もの間、「宵山」や「山鉾巡行」、「神輿渡御」など様々な神事や行事が執り行われる祭礼は、約1000年続けられてきた京都の夏の風物詩です。

そしてもうひとつ、京都のお正月の風物詩として有名なのが「をけら詣り」。祇園祭と同じく、ここ「祇園さん」で行われるお正月の祭典は、地元では「これがないと新年を迎えられない」という人もいるほど、京都のお正月には欠かせない行事です。

古式にのっとって火きり臼と火きり杵できりだされた御神火が境内に吊された灯籠にともされ、人びとの願いを記した「をけら木」とともに、夜を徹して(大晦日午後7時半頃~元旦早朝まで)焚かれます。お参りにきた人々はこの御神火(白朮火)を火縄に移し、消えないようにくるくると回しながら家に持って帰ります。持ち帰った「をけら火」を神棚の灯明に灯したり、雑煮を炊く火に使用したりして新年を祝い、燃え残った火縄は「火伏せのお守り」として、台所にお祀りします。

その他にも、古来より邪気を祓う力があるとされてきた桃の小枝に産土宝印の守札を挟んだ「粥杖」が授与されたり(お正月の限定授与品。1,000円)、刻んで焚くと匂いが出るため魔除けになるとも、胃に効く薬草になるとも伝えられている「をけら」を調製した「をけら酒(お屠蘇の一種)」が振る舞われます(大晦日・午後7時半頃~元旦・午前5時頃)。

観光で遠方から訪れた方が「をけら火」の火を絶やさず自宅まで持ち帰ることはできませんが、新春の境内で「をけら火」を眺めたり「粥杖」や「をけら酒」をいただくことはできるので、ぜひ京都のお正月を体感してみてください。

 

 

八坂神社

住所:京都市東山区祇園町北側625(地図

電話:075-561-6155

参拝料:無料 (火縄700円)

HP:http://www.yasaka-jinja.or.jp/

★山村純也さんによるTRAVEL IDEA「京都で過ごす大晦日」はこれで終了です。他のTRAVEL IDEAもぜひご覧ください。

LINEで送る