鹿王院

鹿王院で密かに楽しむ嵐山の紅葉

―文:小西尋子

京都で「美しい参道」をテーマに特集すれば、必ず選ばれるだろう石畳が美しいエントランスの鹿王院。夏は緑の木立から太陽の日差しが漏れ、晩秋を迎える頃となれば、参道一面、歩くことさえ申し訳ないほど見事な敷き紅葉が広がります。

嵯峨野・嵐山の主要観光ルートから少し逸れるため、時間帯さえ悪くなければ紅葉狩りの観光客で賑わう時期でも、比較的ゆっくりと秋の風情を楽しむことができるのが嬉しいところ。 

特に、女性なら鹿王院の宿坊に泊まることができるので、早起きして人混みに出かけたくないという方にはオススメです。宿坊の部屋からは鹿王院の庭を望むことができ、観光客で賑わう秋の京都とは思えないほど静かに、誰からも邪魔をされず庭木の美しさや鳥の声を心ゆくまで味わえます。

1泊1名朝食付きで4,500円と、宿泊費用も手頃。朝食は、鹿王院の名物とも言われる精進料理をいただけます。早朝の座禅や法話にも参加可能なので、座禅と法話で邪念を払い美味しい精進料理に舌鼓を打って、朝の庭で色付く紅葉をじっくり堪能してから改めて、観光に繰り出し嵯峨野・嵐山の秋を楽しみましょう。宿坊の予約方法は、電話のみです。門限は19時30分。

さて、昭和62年(1987年)、京都市の名勝に指定された鹿王院庭園。ご本尊である釈迦如来は運慶の作と伝わっています。所蔵する「絹本着色夢窓国師像(けんぽんちゃくしょくむそうこくしぞう)」2幅は、国の重要文化財にされており、他にも多くの文化財を所蔵しています。約1895㎡の広い庭園は、平庭式と呼ばれる様式で、築山を築いたり、池を掘ったりせずに、もともとの平らな地面を利用して作られているため、全体的に閑静な雰囲気です。

エントランスの美しい山門からずっと奥に入って左手の前庭には、舎利殿に寄り添うように楓の木が植えられており、本数は多くないものの、その色づきの見事さは本数の少なさを補って余りあるほどです。庭の苔を背景にして、その「赤」は際立ちます。客殿の縁側に座って眺めると、遠く嵐山を背景に、舎利殿、昭堂などの伽藍の屋根と紅葉が重なって奥行きのある景色を観賞することができます。

せっかく嵐山方面に行くのなら、京福電鉄の1日フリーきっぷ(大人500円、こども250円)を購入するのがオススメ。鹿王院駅で途中下車してもOKです。観光客で賑わう秋の京都で、紅葉の穴場を探して嵯峨野・嵐山でふらり途中下車の旅も、なかなか粋なものですよ。

 

鹿王院(ろくおういん)

住所:京都市右京区嵯峨北堀町24(地図

電話:075-861-1645

拝観時間:9:00~17:00

拝観料金:大人400円、小・中学生 200円

★三宅 徹さんによるTRAVEL IDEA「京都カメラマンが案内する「極私的」京都紅葉ツアー」、次にご紹介するSPOTは「東寺」です。

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