地蔵院

喧騒を離れて、禅寺で紅葉の美に触れる静謐な時間

―文:小西尋子

嵐山・嵯峨野の主要な観光ルートからは外れているものの、それゆえ静かに禅寺の美しさを楽しめる竹の寺・地蔵院。世界文化遺産の西芳寺(通称・苔寺)の近くにひっそりと佇む地蔵院は苔寺と同じく臨済禅宗の寺で、夢窓国師を開山とし、伝教大師の作といわれる延命安産の地蔵菩薩を本尊としています。「一休さん」でおなじみの一休禅師が、幼少のころに修行をしたことでも有名です。

参道の両脇や本堂の奥まで続く竹林の中を歩いていると、この地蔵院が「竹の寺」と呼ばれているのも納得。青々とした竹がまとう凜とした空気、笹の葉と京の風が織り成す涼しげな音楽――誰もが、その自然の美に思わず立ち止まって五感を研ぎ澄ませてしまう場所です。

普段は竹に包まれている地蔵院も、秋になると紅葉が境内を彩ります。門前から金茶色に輝く楓の木々が出迎える豪華な情景は、素晴らしいの一言。竹林に囲まれているためか、こちらの紅葉は赤というより黄色に近いことが特徴です(赤い色素は太陽光を多く受けることで生成されるそうです)。竹の緑と黄色味がかった紅葉が相まって、一味違う錦秋の色合いが楽しめます。

卒寿を迎えた大和尚さんが朝と夕に美しい苔で覆われた十六羅漢の庭を掃き清め、還暦を迎えた和尚さんが他の全てのエリアを掃除されることで、この風情が保たれているそう。喧騒を離れて禅寺の静謐な空気に包まれていると、自然と静かな心で美しい紅葉を眺め、自分自身の心と見つめ合える気がしてきます。

また、有料ですが、お抹茶をいただきながらツバキ、モミジなどが配された枯山水庭園を眺めることもできます。比較的均等に配置された石の形が羅漢(悟りを開いた修行者)の立ち並ぶ姿を象徴させる据え方となっているため、「十六羅漢(らかん)の庭」と呼ばれている庭園は、苔が一面に生えて落ち着いた雰囲気。緑の苔の上に赤や黄色の紅葉がはらはらと落ちる様は、秋の侘びしさをいっそう感じさせるとても美しい情景です。

お抹茶は基本的には土日祝日の10時~15時、木曜日はお休み、その他平日は予約制となっています。法事などで休止になることもあるので、事前に予約をしていくことをオススメします。(12月からの方丈修理期間中はお抹茶休止)

 

2016年は、12月から京都市登録文化財方丈の平成大修理が始まるため、着工直前1ヶ月間(11月1日~30日)特別公開が行われます。紅葉の時季とも重なるので、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょう。

 

竹の寺 地蔵院

住所:京都市西京区山田北ノ町23(地図

TEL: 075-381-3417

参拝時間:9:00~16:30(最終入山16:15)

拝観料:一般大人500円、抹茶付拝観料1,000円、小中高校生300円(但し、抹茶は不定休)

※障害者割引
手帳所有者:100円割引、介助者(2名まで):各100円割引
(手帳を必ずご提示ください)
※団体割引はありませんが、20名様以上の場合はご予約ください。

※団体でのご予約は下記までご連絡をお願いします。

※方丈修理期間中は、通常非公開の庫裏本玄関や本堂、その他寺宝を期間限定で公開予定。企画のない日にはポストカード進呈

WEBサイト:http://takenotera-jizoin.jp/

★三宅 徹さんによるTRAVEL IDEA「京都カメラマンが案内する「極私的」京都紅葉ツアー」、次にご紹介するSPOTは「鹿王院」です。

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