宝蔵寺

季節毎に訪れたくなる若冲ゆかりの寺

―文:佐藤和佳子、写真:岡タカシ

新京極から一本東へ。裏寺町通と呼ばれる風情ある通りに立つ宝蔵寺は、誓願寺と同じく、阿弥陀如来様がご本尊の浄土宗西山深草派のお寺です。歴史は古く1269年の創建。裏寺町に移転してきて422年になります。

宝蔵寺から錦市場はすぐ近く。錦市場といえば、江戸時代中期に活躍した画家・伊藤若冲の実家は、錦市場の青物問屋「枡屋」。タイルのように描かれた「樹花鳥獣図屏風」やヘチマの蔓が美しい「糸瓜群虫図」などでも有名な今、大人気の画家です。境内には若冲が両親と末弟のために建てたお墓があり、当寺でも、真っ黒な地に白いドクロを浮かび上がらせた「髑髏図」と生き生きとした鶏を描いた「竹に雄鶏図」を所蔵しています。

そんな縁から当寺では、ご本尊の阿弥陀様の御朱印とは別に、この「髑髏図」スタンプを和紙に押し、筆で「若冲」と書いた「若冲スタンプ」も授与してくださいます。このスタンプ、「若冲ファンの方に桃の節句に合わせてピンク色のスタンプを作ったらどうか、と言われたのが最初だったんです」とご住職。これが大人気にとなり、「3、4月に出したピンク色の次は何色か」との問い合わせが殺到。その声に応えて新緑の5、6月はフレッシュ緑と青磁色、7、8月はシアンとロイヤルブルー、そして9、10、11月はマリーゴールドとトパーズを発行し、今では次は何色かと心待ちにしている人も多いのだとか。

最初は、やりすぎではないかと抵抗があったというご住職。「でも来てくださるみなさんが、本当に笑顔になってくださるんですね。このスタンプを見ながら、嬉しそうにされている。何より大事なのは笑顔ですよ」。そんな笑顔に押されて、若冲の御朱印帳も誕生しました。

御朱印もスタンプもお寺に来るきっかけになればいいとおっしゃるご住職。「若冲スタンプが目的で来られる方々は、本当に礼儀正しいんですよ。ご本尊にお参りして、阿弥陀様の御朱印も受けていかれる方が多いんですよ」とおっしゃいます。

もちろん阿弥陀様の朱印帳も頂戴いたしました。御朱印の魅力の一つは、一枚一枚、自分のために手書きしていただけること。一枚ずつ書き手の思いが込められているので、同じ仏様の御朱印でも何枚もいただきたくなってしまう、というのも分かる気がしました。

 

宝蔵寺

住所:京都市中京区裏寺町通蛸薬師上ル裏寺町587

TEL:075-221-2076

拝観時間:一般拝観は行っていません。

ただし親族の墓の参拝は自由。御朱印と髑髏記念スタンプは9~16時の間、授与。

WEBサイト:http://www.houzou-ji.jp/

 

★くにとみるみこさんによるTRAVEL IDEA「御朱印と書、文字の魅力をめぐる一日」、次にご紹介するSPOTは「てんこく屋空空」です。

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