光明寺

古の都・長岡京で屈指の美しさを誇るもみじ寺

―文:大木由美 

法然上人が初めて念仏を唱えた場所で、西山浄土宗の総本山である光明寺。晩年に奈良、叡山の古い教団から迫害を受けていた法然上人が亡くなった後、太秦の西光寺に移されていた遺骸の入った石棺から数条の光明が放たれたという奇跡が、「光明寺」という名前の由来になっています。

なんとも不思議なエピソードのあるこの光明寺ですが、紅葉の美しい寺としてよく知られ、地元の人からも「もみじ寺」の愛称で親しまれています。約2万坪の境内に数百本のもみじが色付く美しい光景を一目見ようと、毎年多くの観光客が訪れます。

特に、薬医門までの緩やかな坂道になっている参道は、「もみじ参道」と呼ばれ光明寺を代表する絶景スポット。見上げれば赤、黄、オレンジのもみじが見事なグラデーションを描いて秋の空を染め、見下ろせば真っ赤なもみじの絨毯が敷き詰められている光景に思わず感嘆のため息が出ます。

ふと足を止めて振り返ればもみじの枝で作られた紅葉のトンネル、そして視線を戻して正面、寺紋「杏葉」の描かれた幕が掛かる薬医門には樹齢150年の楓の枝葉が折り重なって、幻想的な美しさを見せています。四方を紅で彩られた参道に佇んでいると、この世ならざるどこかに引き込まれてしまいそうな、少し恐ろしい心地すらしてきます。

 

もみじの参道以外にも見どころは多く、総門から御影堂へと続くなだらかな石段の表参道「女人坂」やお堂の裏の山々も、紅葉した木々がそこかしこに見えて秋の風情を感じることができます。

しかし、残念ながら京都でも屈指のもみじの名所として知られた場所なので、紅葉のピーク時は混雑必至。静かにもみじの美しさに浸るというわけにはいきません。駐車場はないので公共交通機関を使い、できるだけ朝の開門(午前9時)を狙って昼間の混雑を避けましょう。

紅葉の時期以外は観光客も比較的落ち着いているので、夏の青もみじや春の桜、冬の雪景色を静寂と共に味わうのも乙なものです。特に夏はもみじの影が参道に落ちて、まるで冷房が効いているかのような涼しさを味わうことができます。 

また、毎月第二日曜日に、茶室(廣谷軒)でお茶会に参加できる月釜を行っています。予約は不要、一席は30~40分ほど、服装は自由、毎月交代で流儀の違う茶道の先生がお茶をたててくれるという、とても和やかな雰囲気のお茶会です。春には梅や枝垂れ桜が美しい庭を、冬は雪景色を眺めながら、一服のお茶を楽しんでみては?

 

 〈光明寺

住所:長岡京市粟生西条ノ内26-1(地図

電話:075-955-0002

【~紅葉の特別入山~】

時間:2016年11月12日(土)~12月4日(日)9時~18時

拝観料:500円

WEBサイト:http://www.komyo-ji.or.jp/

★三宅 徹さんによるTRAVEL IDEA「京都カメラマンが案内する「極私的」京都紅葉ツアー」、次にご紹介するSPOTは「柳谷観音(楊谷寺)」です。

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