嵯峨野トロッコ列車・保津川下り

トロッコ列車の車窓から、川下りの舟の上から嵐山の自然を存分に楽しむ 

―文:大木由美

 

京都でも屈指の観光名所、嵐山。平安貴族も愛したこの嵐山を訪れたら、一度は体験してみたいものといえばやはり、嵯峨野のトロッコ列車と保津川下りです。どちらも今では人気の観光スポットですが、開設には一方ならぬ苦闘もありました。

2016年4月に25周年を迎えたばかりの嵯峨野トロッコ列車は、開設当初はわずか社員9名からの出発。廃線となった保津川渓谷沿いを走る旧山陰本線・嵐山〜馬堀駅間の古びたレールや駅舎を寝る間も惜しんで整備し、線路沿いの雑木林に桜や紅葉を植林してトロッコ列車を走らせました。

彼らの努力を支えたのは、「保津川沿線の景観を多くの人に楽しんでもらいたい」という志――25年経った今もその心は受け継がれ、春には桜、夏は新緑、秋には紅葉、冬は雪と四季折々に彩られる嵐山・嵯峨野のトンネルを抜けて、保津川の美しい渓流を眺めながら走るトロッコ列車は嵐山観光の代名詞となっています。

トロッコ列車は、屋根の一部や窓ガラスを取りはずして嵐山の自然を体感できる「ザ・リッチ号」と、雨や風が強い日でも快適にトロッコ体験が楽しめるよう窓を広くして上下開閉にしている「ネイチャー・サルーン号」の二つ。オススメはやはり、「ザ・リッチ号」です。紅葉が見頃になる10月中旬~12月初旬は線路沿いがライトアップされ、素晴らしい紅葉の中を風を感じながらゴトゴトとゆったり進むトロッコ列車の旅は、きっと忘れられないひと時になります。

 

さて、そんなトロッコ列車から見下ろす保津川の渓流。トロッコが通り過ぎる鉄橋から、渓流を下る舟を見下ろし、すれ違いざまに手を振り合う――そんな旅の一期一会も楽しいものです。トロッコを降りてちょっと周辺を観光・休憩したら、次は舟に……というコースももう定番。

保津川下りの歴史は古く、戦国~江戸時代初期にまでさかのぼります。もともとは今よりももっと激流が多く、舟で下るのは困難な保津川。しかし良質な木材などの物資を、上流の丹波から下流にある京都・大阪に輸送するためには欠かせない水運でもありました。これを、京都の豪商であった角倉了以が幾多の犠牲を払い私財を投じて今のような水路に整え、保津川の舟下りができるようになったのです。 

川の両岸に峻険たる山がそびえ、川が右に左にと谷間を縫って曲るたびに、姿を変える京の愛宕山を楽しむことができる保津川下り。春は桜、川風に散る薄紅の桜吹雪がそれは見事に、夏は清流に鳴くかじかの声に耳を傾けながら川しぶきの涼を楽しみ、秋は山々を紅に染めてゆく紅葉にため息をついて、冬は雪の峡谷をお座敷暖房の舟から堪能できます。

どの季節もオススメですが、保津川下りのもう一つの魅力、白いしぶきを上げる急流を下るスリルと舟頭の見事な竿さばきを存分に味わえるのはやはり夏。日本の皇族だけでなく、世界各国の王族や大使も感嘆した保津川の景観とスリルをぜひとも体感してください。

  

嵯峨野トロッコ列車

住所:京都市右京区嵯峨天竜寺車道町(トロッコ嵯峨駅:地図

乗車場所:各トロッコ駅

電話:075-861-7444(自動音声案内)(嵯峨野観光鉄道株式会社)

時間:HP参照

休業:HP参照

WEBサイト:https://www.sagano-kanko.co.jp/

 

保津川遊船企業組合

住所:亀岡市保津町下中島2(乗り場地図

電話:0771-22-5846

時間:HP参照

休業:HP参照

WEBサイト:http://www.hozugawakudari.jp/

★TRAVEL IDEA「京都に行ったらやりたいこと10 ~自然を感じる」、次にご紹介するSPOTは「浄瑠璃寺、当尾の石仏、流れ橋」です。

★京都に行ったらやりたいこと10
①寺社仏閣をめぐる
②お土産を買う
③嵐山・嵯峨野をめぐる
④京料理をいただく
⑤きものを着る
⑥お茶をいただく
⑦海の幸をいただく
⑧町家のお店に行く
⑨伝統文化に触れる
⑩自然を感じる

 

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