京都三大祭・五山送り火

春、夏、秋の京都を彩る三大祭と送り火

―文:中村慶子 

京都では古代より継承されてきた祭や行事が今なお続き、それぞれの季節に彩りを添えています。季節ごとの催事をチェックすれば、旅がもっと楽しく、日本文化がより面白くなるはずです。

 

風雅な祇園囃子、豪華絢爛な山鉾

―写真提供:佐藤佑樹

 

「コンチキチン」の祇園囃子が夏本番を告げる7月の祇園祭は、京を代表する祭典。平安時代に疫病退散を祈願するため始まり、1100年を超える歴史を誇ります。1日から始まる吉符入の神事で幕が開き、31日の疫神社夏越祭で締めくくるまで1カ月間にわたって繰り広げられます。

祭は宵山と山鉾巡行でクライマックスを迎えます。前祭(さきまつり)の宵山(14~16日)は浴衣姿など大勢の人でまちがにぎわい、15、16日は日が暮れると四条烏丸一帯が歩行者天国になって夜店が立ち並びます。各山鉾町では提灯に明かりが灯り、お囃子の音色に合わせてお祭気分は最高潮。搭乗できる山鉾があったり、各山鉾町を歩くと旧家や老舗で屏風、書画などの家宝が公開されていたりといろいろなお楽しみが用意されています。

豪華絢爛な山鉾23基が通りを進む巡行(17日)は、まるで「動く美術館」。長刀鉾の稚児による注連縄切りや、交差点で行われる迫力満点の辻廻しなどが見どころです。

2014年に約50年ぶりの復活を果たした後祭の宵山(21~23日)は歩行者天国や夜店がなく、巡行(24日)するのは10基。前祭より混雑度が低いので、落ち着いて祭を楽しみたい人にお薦めです。

 

平安装束ではんなり優雅な行列

―写真提供:廣森完哉

風薫る5月15日に行われるのが葵祭。上賀茂神社と下鴨神社の総称、賀茂社の例祭です。古墳時代後期の欽明天皇のときに凶作が続いたため、賀茂の神の崇りを鎮めようと始まりました。葵の葉を飾り平安装束を身にまとった総勢500人以上の行列が、京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社へ、新緑の中練り歩きます。未婚女性が務める斎王代をヒロインとした女人列は、行列の中でもひときわ華やか。さまざまな前儀のうち、祭の無事を祈って疾走する馬から的を射抜く5月3日の流鏑馬神事は特に有名です。

 

伝統工芸技術の粋が一堂に

―写真提供:佐藤佑樹

京都三大祭のうち1年のフィナーレを飾るのが時代祭で、紅葉の季節を控えた10月22日に開かれます。平安京遷都1100年を記念して1895(明治28)年に始まりました。維新勤王隊列や徳川城使上洛列など明治維新から延暦時代まで8つの時代をテーマにした時代行列は総勢約2000人。京都御所から平安神宮までを巡行します。祇園祭や葵祭に比べると比較的新しい祭ですが、衣装や道具、踊りや所作まで時代考証に基づいて再現された行列には風格が漂っています。

 

行く夏の夜空を染める納涼行事も

五山送り火は、祇園祭と並ぶ京の夏の風物詩。お祭りではなく、お盆に迎えた先祖の霊を再び浄土に送る行事で、精霊送りのかがり火を5つの山(「妙」と「法」は2つで1つと数えます)で焚きます。8月16日午後8時に点火が始まると、大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形の炎の文字や形が次々と夜空に浮かび上がり、まちは幻想的な雰囲気に包まれます。

 

長い歴史の中で継承されてきた、京の人々の祈りや思い。祭や行事に足を運んで、ともに感じてみてください。

 

〈お問い合わせ〉

●祇園祭/山鉾連合会(075-741-7211)

●葵祭/葵祭行列保存会(075-254-7650)

●時代祭/ 平安神宮(075-761-0221)・http://www.heianjingu.or.jp/

※祇園祭:雨天決行

※葵祭・時代祭:雨天順延

※五山送り火:基本的に雨天決行(荒天の場合、点火時刻の変更や順延の可能性あり)

★TRAVEL IDEA「京都に行ったらやりたいこと10 ~伝統文化に触れる」はこれで終了です。他のTRAVEL IDEAもぜひご覧ください。

★京都に行ったらやりたいこと10
①寺社仏閣をめぐる
②お土産を買う
③嵐山・嵯峨野をめぐる
④京料理をいただく
⑤きものを着る
⑥お茶をいただく
⑦海の幸をいただく
⑧町家のお店に行く
⑨伝統文化に触れる
⑩自然を感じる

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