浄瑠璃寺、当尾の石仏、流れ橋

京都郊外で満喫する「国宝」と「自然」

―文:木村桂子、写真:岡タカシ 

 

京都市内には有名な観光スポットがたくさんありますが、少しバスや車を走らせると、また趣深い神社仏閣が点在。日本情緒溢れる美しい自然とともに、心癒されるスポットを巡ってみませんか?

 

木津川市・加茂町の「浄瑠璃寺」は、山の中にひっそりと建つ寺院。国宝である「九体阿弥陀如来像」を拝観することができます。

(※但し、平成29年度より修理・修復のため、毎年1~2躰が寺から出られる予定なので、約5年間、九体揃っての拝観ができません)

阿弥陀如来仏は、私たちを極楽へと導いてくれる仏様。人間には努力や心がけなどで9つの往生の段階があるとされていますが、自分が9つのうちどこに位置しているのかは、仏様しか知らないとされています。

そこで、どの段階にいても極楽へと導いていただけるように…との想いから、9体の阿弥陀如来仏を一度にお参りできる、「九体阿弥陀如来像」を建立したそうです。

真ん中に位置する、ひときわ大きな阿弥陀如来仏の隣には、お地蔵様がおられます。これは、9体の阿弥陀如来仏でも救えない魂をお地蔵様が救う、という意味が込められているとか。

極楽への強い想いが感じられる浄瑠璃寺。本堂の前には、なんとも豊かな池が広がり、静かで美しい景色と空気を、体中で感じることができるのです。

そして、池を挟んだ本堂の真向かいには、国宝の「三重塔」が。薬師仏を安置しているこの塔の側に立ち、本堂におられる9体の阿弥陀如来仏をお参りするのが、本来の拝観方法なのだそうです。

仏教では、東でこの世に生まれ、西で幕を閉じるとされています。浄瑠璃寺も、現世を司る薬師仏を東に、極楽を司る阿弥陀如来仏を西に安置し、この庭園全体で現世から極楽浄土への歩みを表現しているのです。

そんな浄瑠璃寺の近辺、当尾(とおの)地区には石仏が点在。かつて、この地に寺院や修行場が散在していたことで、岩壁などに刻まれる「麿岩仏(まがんぶつ)」が数多く造られたのだそう。いまでは石仏の散策コースもあり、歩いていると「あ、こんなところにも石仏が!」と発見できて、とても有意義なひと時が過ごせます。

中でも、山中の散策コースにたたずむ「わらい仏」は、一見の価値あり。緑を体いっぱいに感じながら歩みを進めると、観音菩薩と勢至菩薩を従えた阿弥陀如来仏が現れます。優しく微笑んでいるようにも見えるその姿。しんと静まり返ったその場に流れる独特な空気が、心と身体をピンとさせます。

当尾からは少し離れますが、木津川にかかる「上津屋橋」も見ておきたいところ。川が増水すると橋桁が流れるように設計されており、「流れ橋」とも呼ばれて親しまれています。

全長356.6m、幅3.3mのこの木橋には、手すりや街路灯などは設置されていないのが特徴。周囲にも民家や電柱がなく、まるでタイムスリップしたかのような、京都の原風景を残しています。そのため、時代劇や映画の撮影もよく行われていたそう。

市内だけでなく、郊外もまた味わい深い京都。自然を感じながら散策すれば、ゆったりとした時間の流れを感じられることでしょう。

 

浄瑠璃寺

住所:木津川市加茂町西小札場40(地図

電話番号:0774-76-2390

拝観時間:(3〜11月)9:00〜16:30(受付終了)、(12〜2月)10:00〜15:30(受付終了)

休み:無休

 

上津屋橋

住所:久世郡久御山町-八幡市木津川(地図

★TRAVEL IDEA「京都に行ったらやりたいこと10 ~自然を感じる」はこれで終了です。他のTRAVEL IDEAもぜひご覧ください。

★京都に行ったらやりたいこと10
①寺社仏閣をめぐる
②お土産を買う
③嵐山・嵯峨野をめぐる
④京料理をいただく
⑤きものを着る
⑥お茶をいただく
⑦海の幸をいただく
⑧町家のお店に行く
⑨伝統文化に触れる
⑩自然を感じる

 

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