和香菜

“ホンモノ”のきもので東山を散策 

―文・写真:日沖桜皮

 

「なぜあなた方は自分の国の民族衣装を着ないのですか?」

外国人に聞かれることがあります。

彼らの目には、日本人が洋服を着ていることが不思議に映るのでしょう。たしかに、一生のうちで数回しか和服を着ない、という人も少なくありません。他国とくらべ、着ること自体に知識や技術が要るというのが大きな理由でしょうが、戦後の経済成長のなかで、「衣服」に関連する生活様式が西洋化したことも大きいと考えられます。

日本を代表する「和の文化」のまち・京都。ここは「ニッポンの民族衣装」が自然なまち。きものや浴衣を着て歩く人が、他府県と比べ圧倒的に多く見られます。和服を普段着として生活している人、仕事上和服を着る必要がある人、さらに観光客とくれば、まちで目にする和装が多くなるのも当然のこと。

和装といえば「きもの」。友禅染・西陣織といった、きものの生産にかかわってきた伝統的な技術の歴史は古く、そのワザは現代に伝承されいまでも高いクオリティを保っています。買うとなると非常に高価であるため、まずはそんな「きもの」を着てみたいという人が多いことで生まれたのが、「レンタルきもの」。着付けをしてもらい、そのまま、まちに繰り出すことができます。名所旧跡が多い京都のまちを、きものや浴衣を着て歩いてみる…、とりわけ観光客や外国人には魅力的なことでしょう。

東山の名刹のひとつ、高台寺のほど近くに2015年にオープンしたのが、レンタルきものとカフェを営む「和香菜」です。オーナーは、2015年の「ミスきもの」に選ばれた入柿友香さん。

実は、数多あるレンタルきもの店の多くが、外国産の低価格なきものを使用しているのですが、「それではせっかくきものを着ていただく意味がない」と、きものに造詣が深い入柿さんは、迷うことなく「ほんまもん」、つまり国内の染めと織りの優れた技術で作られている製品を導入しています。

美しい四季の柄がちゃんと施されている製品、その数およそ150着を準備しているといいます。他店とくらべ決して多くはありませんが、すべて品質保証済みならばどれを選んでも安心。そして、着付けの際には、和装用の下着やタオルを入れるなど、体形に合わせた補正をしっかりしてくれるのも和香菜ならでは。正しく美しいきものの着方を、しっかりとさせてもらえるのです。 

レンタルのコースは3種類。ポリエステル小紋と正絹帯のカジュアルコースが5000円、正絹小紋と正絹帯の本格京美人コースが7000円、正絹訪問着と正絹帯のハイクラスコースが9000円。いずれもスタイリストによるヘアセット、補正、着付け込み。

高台寺、清水寺、八坂神社、知恩院、建仁寺といった観光名所が徒歩圏内という立地ゆえ、着付けてもらって数分後にはこれらの“絵になる”背景で写真を撮ることができるのも嬉しいポイントです。

また、併設のカフェでは地元の京野菜を使った「おばんざいプレート(1500円)」が人気で、さらに抹茶体験もできます(レンタル利用の人は500円、一般の人は1000円)。

入柿さんのきものへの思いをうかがいました。

「他国の民族衣装というのは、大半が刺繍の技術によるものですが、日本の着物はそこに“染め”と“織り”という、千年以上も培われてきた優れた技術が加わっています。実際に本物を着てそれらのことを体感していただき、和装の魅力を知っていただければと思っています」(下の写真右が入柿さん)

 

  

レンタルきもの・茶寮和香菜

住所:京都市東山区下河原町476-2  2階(地図

TEL:075-746-2242

時間:9:00~19:00

※レンタル着物受付時間は16:00まで ※着物返却受付時間は18:30まで

WEBサイト:http://wakana-kimono.com/

TRAVEL IDEA「京都に行ったらやりたいこと10 ~きものを着る、次にご紹介するSPOTは「東映太秦映画村」です。

★京都に行ったらやりたいこと10
①寺社仏閣をめぐる
②お土産を買う
③嵐山・嵯峨野をめぐる
④京料理をいただく
⑤きものを着る
⑥お茶をいただく
⑦海の幸をいただく
⑧町家のお店に行く
⑨伝統文化に触れる
⑩自然を感じる

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