元離宮二条城

時代を経てなお徳川将軍家の威力を伝える

 

―文:中村慶子

写真提供:元離宮二条城

 

徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として慶長8(1603)年に築城し、3代将軍家光の時代に完成しました。京都で唯一となるお城の世界遺産は、価値ある装飾芸術の宝庫です。

鶴などの吉兆物が彫刻されたきらびやかな唐門をくぐると、武家風書院造りの国宝・二の丸御殿が現れます。33の部屋はそれぞれ用途が決まっており、最も格式の高い部屋「大広間」は、上段の一の間に将軍、下段の二の間に大名が座って謁見。慶応3(1867)年、武家時代の終わりを告げる大政奉還の発表もここで行われました。

二の丸御殿で目を見張るのが、豪華絢爛な襖絵などの障壁画。将軍が休息する「白書院」以外は、金箔を貼り鮮やかな岩絵具を施した金碧障壁画が部屋を取り囲んでいました。これらは幕府の御用絵師・狩野探幽をリーダーとする狩野派の作で、3000面以上あるうち1016面が重要文化財です。

「遠侍」は城へ参上した大名の控え室で、二の間に描かれた猛々しい「竹林群虎図」が大名を迎え入れました。対照的に「黒書院」は親族の大名など親しい者との対面が行われた部屋で、二の間には季節感あふれる「桜花図」が描かれました。対外的には権力を誇示し、内向きには趣味よく、と演出を使い分けていたのです。主要な間から見る美観を計算し、島と橋で神仙蓬莱の世界を表した二の丸庭園も見逃せません。

本丸は創建当時、五層の天守閣がそびえていましたが、現在の本丸御殿は明治時代に京都御苑内の旧桂宮御殿を移築したものです。城内には「桜の園」もあり、全体で約50品種400本の桜が咲き競う春は最も人々でにぎわうシーズンです。

 

元離宮二条城

住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541(地図

電話:075-841-0096

休み:7・8月の火曜(休日の場合は翌日、12・1月の毎週火曜日は、二の丸御殿内の観覧はできません)

時間:8:45~16:00(二の丸御殿は9:00~)

料金:600円

WEBサイト:http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo

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