清水寺

釘を使わない「懸造り(かけづくり)」の凄さ

―文:日沖桜皮

写真提供:山崎晃冶

 

奈良時代の末、宝亀9(778)年開創の清水寺は、観音霊場として広く人々の信仰を得て、貴族や武士といった限られた階級だけでなく、庶民に開かれたお寺として無病息災、立身出世、財福といった現世でのご利益を願う人たちから、「清水の観音さん」として親しまれてきました。

東山連峰の音羽山の中腹に広がる13万平方メートルの境内に、国宝や重要文化財を含む30の伽藍が建ち並び、平成6(1994)年にはユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつとして登録。京都の寺社の中でも、観光名所として人気を誇ります。

清水坂を上り、清水寺に近づくと、まず見えてくるのは鮮やかな丹塗りの大きな仁王門。ここから境内に入ると、三重塔、経堂、開山堂と重要文化財である建築物が続き、いよいよ「清水の舞台」で有名な本堂が現れます。

清水寺の最大の見どころは、この本堂の建築様式。舞台がせりだす本堂は、山の斜面、それも崖のように急な斜面に建っています。平安時代の末期には存在していたとされるこの本堂、実は釘を1本も使わない「懸造り(かけづくり)」という手法で支えられています。柱にケヤキの厚板を「貫(ぬき)」として両側から縦横に通して柱の真ん中でかみ合わせをつくり、更に隙間にくさびを打ち込んで締め付けるもので、金属を使わないことからさびなどの腐食にも強く、釘よりも地震の揺れへの耐久性があるとされています。

そんな「舞台」の床は、約184平方メートル。厚さ10センチのヒノキ板を400枚以上敷き、20年ほど経過するたびに張り替えます。雨が降った時に水がたまらないように、奥をやや高く、手前を低くする工夫もされています。

寺院への「奉納」と言えば、米や醤油、あるいは工芸品といった「物品」をイメージしがちですが、清水の舞台では、鎌倉時代以降、雅楽、能、狂言、歌舞伎などの「芸能」が奉納され、今もなお、さまざまな催しが舞台で行われています。

野鳥がさえずる美しい自然のなかに、見どころたっぷりの清水寺。早朝からあいているので、早い時間の参拝がおすすめです。

 

清水寺

住所:京都市東山区清水1丁目294(地図

電話:075-551-1234

時間:6:00~18:00(通年拝観)

※春、夏、秋に夜間特別拝観(ライトアップ)あり

料金:高校生以上400円、小・中学生200円

WEBサイト:http://www.kiyomizudera.or.jp/

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★京都に行ったらやりたいこと10
①寺社仏閣をめぐる
②お土産を買う
③嵐山・嵯峨野をめぐる
④京料理をいただく
⑤きものを着る
⑥お茶をいただく
⑦海の幸をいただく
⑧町家のお店に行く
⑨伝統文化に触れる
⑩自然を感じる

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