民宿またべ

かやぶき民家のお宿で、名物の地鶏すき焼きに舌鼓

―文:玉田南倭、写真:本間腕

 

美山町知井地区にある北集落は、38棟のかやぶき民家が集まる国の重要伝統的建造物群保存地区に指定される場所。そこに「民宿またべ」はあります。1年を通して客足が絶えることがないという人気ぶりで、その秘密を探るべく取材へ伺いました。

かやぶきの民家が立ち並ぶ日本昔話に出てきそうな田舎道を歩いていると、愛らしい色とりどりのコスモスに囲まれたアプローチがみえてきます。ここが「民宿またべ」への入り口。アプローチを進むと、趣のあるかやぶきの屋根と趣のある玄関が迎えてくれます。

かやぶきの民家は平屋造りのため、客室は3室で宿泊定員が最大14名。そのほか、部屋の中央に囲炉裏を配した共有の部屋が1室あり、こちらは宿泊客がゆったりと旅の疲れを癒すことができる憩いの場になっています。

さて、お待ちかねの夕食タイムです。田舎家の風情をたっぷりと味わいながらいただく夕食は、地元美山のWABISUKEの平飼い地鶏を使ったすき焼きです。牛肉が手に入りづらかった時代、美山では、すき焼きといえば鶏肉だったとか。こだわりの鶏肉は、すぐ近くの養鶏場から直接仕入れるため、鮮度抜群。そのため、市場には出回らないような希少な部位も食べることができます。

すき焼きを作ってくれるのは、こちらの民宿を運営管理している、(有)かやぶきの里の勝山直(かつやまなおし)さん。まずはごぼうを炒めて、砂糖・醤油・出汁で味付けをします。その次に、きのこや白菜、豆腐などを加え、最後に、たまひもや肝などの部位を入れれば完成。

すき焼きのお供は、もちろんWABISUKEの生たまご。ハーブや炭、美山で採れたお米など植物性飼料のみ与えて育てているそうで、生たまご特有の生臭さを一切感じさせません。ぷりぷりの食感で噛めば噛むほど旨味を感じられる鶏肉と、コクはあるがくせのないすっきりとした生卵の相性は抜群。すき焼きのほか、ささみの刺身、酢の物、てんぷら、田楽、ご飯と漬物が付いてボリューム満点。美山の大自然で育てられた地鶏のすべてを心ゆくまで堪能できるメニューに大満足でした。

ここ美山の観光事業を支えているのは地元の人たちだといいます。「美山の風景を守り、魅力を伝えていくことは“使命”だと思っています」と、勝山さん。美山のかやぶきの風景が実はここにしかない特別なものだということを知り、この風景を守り未来に残していきたいと強い決意をしたそうです。「まずは地域住民がしっかりと生活を営むことが大前提。そのためにも、観光客の皆さんに満足してもらえるように美山の観光事業を盛り上げ、保全にもつなげたい」と、勝山さんは真剣な表情で語ってくれました。

地元の人が太鼓判をおす、美山の星空。ぜひ宿泊して満点の星空をゆっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。

 

かやぶきの宿 またべ

住所:京都府南丹市美山町北下牧25(地図

TEL:0071-77-0258

定休日:年末年始

チェックイン:14:00

チェックアウト:10:00

WEBサイト:http://www.kayabukinosato.com/matabe.html

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