東寺と東寺米粉ワッフル

東寺土産の宝庫!境内売店で出会った新名物

―文:さかもとみえ、写真:本間腕

 

日本一の五重塔でお馴染みの、東寺。かつて桓武天皇が京都に都・平安京を置いた際、都のメインゲートである羅城門の東西に国家鎮護を願って西寺と東寺を建立。今では京都市内に数千という寺院があるといわれていますが、平安京造営当初にはたった2つしか寺院がなかったことにも驚きます。東寺は弘法大師空海が開いた日本初の密教寺院として知られ、力強く壮大な建築の五重塔(高さ55メートル)だけでなく、講堂に安置される21体の立体曼荼羅の仏像群をはじめとする真言密教の美術品は見学必至です。

東寺へは近鉄東寺駅から徒歩で東門から入るパターンが一般的な観光ルートになっていますが、JR京都駅八条口から八条通を西へ、昔ながらの風情が味わえる商店街沿いを歩いて東寺の北門から入るルートもおすすめです。このルートは毎月21日、弘法大師(空海)の月命日に行われる縁日「弘法さん」のとき、とくに賑わいます。骨董品から着物、食品類までさまざまな露店が出て、早朝から夕方までの間、境内や門前がお祭りさながらのムードに包まれます。

では、北総門から入ってみましょう。北総門から、食堂の北側にある北大門までの間を櫛笥小路といって、平安京以来そのままの道幅で残っている京都市内で唯一の小路です。

食堂のすぐ南側に、夜叉神像を祀る2つの小さなお堂があります。東側(写真上)が雄夜叉(本地文殊菩薩)、西側(写真下)が雌夜叉(本地虚空蔵菩薩)。弘法大師(空海)の作と伝わり、お参りすると歯痛を癒すご利益があるそうです。

 

夜叉神堂のすぐ東隣には、拝観受付と売店があります。この売店、実は、東寺限定土産の宝庫なんです。八つ橋、宇治茶、お菓子、漬物など京名物の有名店が東寺限定のパッケージで販売しているなか、ひと際目を引いたのが、ポップな仏像のポスターとパッケージの「東寺米粉ワッフル」。

どんな老舗の門前名物にも、きっとはじまりがあったことでしょう。この米粉ワッフルは平成24年に誕生したばかりの新しい東寺のお土産です。

「お米は、シャリというでしょう。舎利(シャリ)ってお釈迦様の遺骨のこと。仏塔つまり東寺でいう五重塔っていうのは、お釈迦さまの遺骨を納めるところ。五重塔と米粉って、すごく親和性が高いんですよね。だから東寺の拝観記念になります。ちょっとしたこのうんちくと一緒に旅の思い出話をしてほしいです(笑)」と、製造者の藤枝俊夫さん。

藤枝さんは生まれも育ちも東寺門前。約65年間、弘法大師のお参りを続けてきたという信心の厚さ。米粉ワッフルは抹茶とプレーンの2種類。1個200円。「味に妥協したくない」という強い思いから、1日20個しか製造しないとか。材料は、ご近所のネットワークをフルに活かして、米粉は京都の菓子業界で定評のある図司穀粉のもの、宇治抹茶は東門前にある小澤清風園のものを。「地元の各方面のプロに相談しながら、日々、ワッフルの味を研究しています。」と、藤枝俊夫さん。

抹茶味は、米粉のもちもちした食感と鼻から抜ける香り高い抹茶の風味が特徴。数ある抹茶もんスイーツのなかでも、これほど抹茶の風味が豊かで、鮮やかな緑色の抹茶ワッフルに出合ったことがないかもしれません。

2年前にリニューアルしたユニークなパッケージは、東寺の仏像を代表する大日如来をモチーフにした、その名も「お米如来さま」。「リピーターの観光客にも喜んでもらえるように」と、年に4回、季節ごとにパッケージのデザインを変えているそうです。夏場は、涼しげな水色の市松模様に。ワッフルの味だけでなく、オリジナリティあふれるパッケージにもこだわり、ほかにはない東寺土産を目指す情熱が伝わってきました。

 

東寺(教王護国寺)

住所:京都市南区九条町1

TEL:075-691-3325

時間:3/20~9/19は8:30~17:00受付終了、9/20~3/19は8:30~16:00受付終了

休業:無休

料金:500円(金堂・講堂拝観)

WEBサイト: http://www.toji.or.jp/

 

LINEで送る