下鴨神社

神聖な水からパワーをいただく

―文:中村慶子、写真:岡タカシ

 

京都には水と関わりのある寺社・仏閣が多く存在します。中でも、街中にある世界遺産・下鴨神社は、ふらりと気軽に訪れることのできる水スポット。森を流れる小川、お社に湧き出す水。京阪出町柳駅から10分あまり歩けば、みずみずしさに包まれる異空間が広がっています。

神社の南、鴨川と高野川の三角州に位置する「糺の森」は、東京ドームの3倍の面積に原生林が広がる貴重な森。夕刻、幾重にも緑が連なる薄暗い空間へ、人々は歩くと言うより吸い込まれていきます。参道を歩いて森に足を踏み入れると、すがすがしく神聖な空気に一変。ニレ科の樹木が中心に茂り、巨木が点在する森。樹間に鴨長明が歌に詠んだ「瀬見の小川」などの川が流れ、名の通り瀬を見ていると清らかさに心が落ち着いてきます。こんな素敵な空間なら何時間でもとどまっていたいと思う人には、毎年お盆に開かれる「下鴨納涼古本まつり」なんてお薦めです。

賀茂川の分流である「瀬見の小川」をたどって上流へ進むと、流れは「奈良の小川」と呼び名を変え、さらに北上すると神社の境内に入って「御手洗川」となります。御神水で身を清め、たどり着いたのが「御手洗池」。地下50㍍からの清水が、一年のうち土用のころに最も多く湧き出るという興味深い池で、御手洗社の立て看板でこの現象を「神社の七不思議の一つに挙げられる」と説明してあります。7月下旬、土用の丑の前後に行われる「御手洗祭」の「足つけ神事」は、平安時代に貴族がみそぎをする風習が庶民に広まり、京の夏の風物詩として定着しました。日が暮れて、ろうそくとちょうちんの灯りが幻想的です。地元住民も観光客も、老若男女国籍問わず、ズボンの裾をまくって水の中を進み、1年の無病息災を祈る神事。ぜひ参加して、ちょっとしたドキドキ感を味わってみてください。5月にある例祭の葵祭では、十二単をまとった主役・斎王代が、池に手を浸して身を清める儀式も行われます。

お社を後にし、池底から吹き上がる水泡をかたどったと伝わる「みたらし団子」の素朴な味わいを茶屋で楽しみながら一服。5個の団子のうち1個だけ離れて串にさしてあるのは五体の頭を表し、昔は団子を神前に供え祈祷を受けた後に家へ持ち帰っていたと知りました。疲れていたはずが、すっかり英気を養って帰路に着くことのできるパワースポット。暑い時期にこそ訪れてみてください。

 

下鴨神社

住所:京都市左京区下鴨泉川町59

TEL:075-781-0010

参拝時間:5:30~18:00(冬季は6:30~17:00、御手洗祭の期間はWEB参照)

定休日:なし

WEBサイト:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/

 

 

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