虎屋菓寮 京都一条店(喫茶)

京都文化を感じながら、水盤のゆらめきと繊細な和菓子を楽しむ

―文:木村桂子、写真:岡タカシ

いわずと知れた「とらやの和菓子」。創業約500年を誇る老舗和菓子屋の、代表商品の羊羹をはじめ、最中や季節の生菓子などがいただける同店。とらやといえば東京の店と思う方も多いですが、実はここ京都市が発祥の地。1628年より以前からこの地にて店を構えていた、との資料も残っています。

そんな伝統ある虎屋菓寮 京都一条店がリニューアルオープンしたのは、2009年5月。三重県鳥羽市の「海の博物館」やJR高知駅などを設計したことでも知られる、日本を代表する建築家・内藤廣(ないとうひろし)氏の手による、伝統と現代性を併せ持った居心地の良い空間が広がります。

「とらや」とのれんの掛かった、日本的な建築。中に入ると落ち着いた照明でなんとも癒されます。特筆すべきは、喫茶空間には柱が1本もなく広々としていること。「喫茶スペースとお庭をリニューアル前よりも広く取っているんです」と、虎屋 京都営業部の橋爪佐和(はしづめさわ)さん。一つひとつの座席の間隔にも余裕があり、両サイドは全面ガラス張りで、より広さを感じさせます。また、アーチ状になった天井もこの建物の特徴のひとつ。両側のテラスにもアーチが張り出したデザインで、外と中が一体化したような開放的な店内です。

「虎屋菓寮 京都一条店は、和菓子を楽しみながら、京都の文化などをゆっくりとした時間の中で堪能していただきたい、という想いからリニューアルに至りました」と橋爪さん。だからこそ、店内には京都文化に関する書籍がたくさん。和菓子関連書籍はもちろん、寺院や伝統建築などの書籍も幅広く取り揃え、心ゆくまで和菓子と共に京都文化に浸ることができます。

テラスに出てみると、緑広がる庭と足元の水盤で、蒸し暑い京都の夏でも清涼感たっぷり。対面にはどっしりとした蔵と鳥居が鎮座し、ゆっくりと眺められるのも魅力です。
水盤は、さざ波を立てるなどの仕掛けはあえてしておらず、時折風が吹けばゆらゆら揺れて自然のままに。いつも手入れが行き届いており、常に透明感のある水で満たされています。

緑豊かな庭を眺めながら「宇治みぞれ(白小倉餡入り)」(1,296円)をいただきましょう。濃厚な抹茶蜜が氷にたっぷりとかけられた宇治みぞれは、しゃくしゃくっとした氷の食感と風味豊かな抹茶の味わいが楽しめる絶品。しばらく食べ進めると、中から白小豆餡が顔を出しました。「いんげん豆などを使った白あんでなく、希少な白小豆のみを使った白小豆餡を使用しています」。少し黄味がかった白小豆餡は、豆の風味が香るすっきりとした甘さ。宇治みぞれの爽やかさとも相性抜群で、氷と一緒にいただくとさらに味わい深く、たまらない美味しさです。

テラス席は、夏には風鈴があしらわれさらに風情豊かに。冬には水盤に薄く氷が張るなど、春夏秋冬、さまざまな表情が楽しめるのだとか。人気店なので、おすすめの時間帯は午前中。美味しいお菓子と、四季折々の自然、そしてくつろぎの時間を堪能しに、ぜひ出かけてみてはいかがでしょう。

虎屋菓寮 京都一条店
住所:京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400(地図)
TEL:075-441-3113
営業時間:10:00〜18:00(L.O. 17:30)
定休日:不定休
WEBサイト:www.toraya-group.co.jp

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