祇園祭・後祭/会所巡り・宵山そぞろ歩き

後祭の宵山で祇園祭本来の風情と町衆の心意気を感じる

―文:林宏樹、写真:佐藤佑樹
写真提供:deepseason

祇園祭の山鉾巡行が、48年ぶりに前祭の7月17日と後祭の7月24日に分かれて行われるようになったのが2014年(平成26年)のこと。山鉾巡行は、八坂神社の神様を乗せた御神輿が市内を渡御する17日の神幸祭(しんこうさい)、24日の還幸祭(かんこうさい)の事前の露払いの役割を担っているので、前祭と後祭に分けて行われるのは、祇園祭本来の姿に戻ったと言えます。

後祭の宵山は、四条通が歩行者天国になるわけでもなく、露店屋台が立ち並ぶわけでもなく、少々地味に感じられるかもしれませんが、これも本来の姿に戻ったと考えれば、落ち着いた雰囲気の宵山が格別の風情に思えてきます。


(後祭・八幡山の会所)

各山鉾の会所では、御神体や山鉾を飾る懸装品を展示し、粽や手ぬぐいなどの授与品を販売しているだけでなく、図案に工夫を凝らした御朱印も用意されているので、会所巡りの楽しみに御朱印集めを加えると、山鉾ひとつひとつに興味が湧いてくるに違いありません。

さて、京都生まれ、京都育ちの筆者も、後祭の宵山はまだ2年の経験しかない訳ですが、昨年大阪の友人を案内したときのことを書いておきます。
どこの山鉾に行こうか考えたのですが、後祭復活の契機となった、大船鉾へと向かいました。

大船鉾は幕末の1864年、「蛤御門の変」の大火で鉾の木組みや車輪などを焼失し、以来「休み山」として山鉾巡行には参加せず、焼け残った御神体や懸装品を宵山で披露する「居祭」のみが行われてきた鉾です。平成9年(1997年)のお囃子の復活を皮切りに、鉾の再建、懸装品の復元など、少しずつ復興を目指して準備が進められ、念願叶って2014年、150年ぶりに山鉾巡行に復活しました。

大船鉾は同じように船の形をしている前祭の船鉾と比べるとひと回り大きく、間近で見ると迫力も満点。せっかくなので鉾に塔乗させてもらうと、ちょうど祇園囃子の演奏が始まり、狭い鉾の上の目の前で祇園囃子を聞くという、この上ない体験をさせてもらいました。友人が喜んでくれたことは、言うまでもありません。

大船鉾は毎年少しずつ懸装品が復元されており、今年は船首を飾る龍頭が新調され話題となっていますので、是非注目を。
かつての大船鉾のように、鷹山、布袋山の2基がまだ復活を果たせないまま休み山になっていますが、鷹山は2013年に囃子方が結成され、復活への機運が高まっています。
大船鉾をきっかけに、そういった休み山にも目を向けてみると、祇園祭を支える町の人の思いや心意気など、また違った祭の一面を垣間見られるように思います。

お問い合わせ:祇園祭山鉾連合会 http://www.gionmatsuri.or.jp/

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