橦木図子

人気店がひしめく、困ったときのグルメ路地

文:土橋健司、写真:光川貴浩

四条烏丸のオフィス街からすぐ近くにある橦木図子(しゅもくのずし)。名前の由来は、T字型をしている道の形といわれています。たしかに、仏具の鉦(かね)を叩くときに使う橦木(しゅもく)の形にそっくり。江戸時代中期の絵図にも「しもくのつし」として記録されており、300年以上もの歴史があると考えられます。

さて、こちらの橦木図子は、ここ10年ほどで「メシに困ったらココへ行け」といわれるほどに飲食店が立ち並ぶ路地になりました。はじめは居酒屋だけだったようですが、烏丸通が急速に発展し界隈に飲食店が並び、さらにある人気ビストロ店の登場により一気に活気づいたそうです。今や居酒屋だけでなく、ラーメン、うどん、鍋物、イタリアンなど、ジャンルはなんでもござれの「グルメ路地」に変貌しました。なかでもおすすめしたいのが、路地の最古参として界隈を見守り続けてきた居酒屋[太郎屋]。母娘で営まれており、大皿に盛られた季節料理を目当てに近隣サラリーマンの憩いの場となっています。リーズナブルな価格とアットホームな雰囲気で足繁く通う常連さんも多いお店です。

[太郎屋]以外にも多くの人気店があり、界隈で働く人や観光客にとって穴場となった橦木図子は、昼夜問わず人通りが絶えない路地になりました。しかし、注意してほしいのは自転車の駐輪が禁止されていること。コンパクトな京都市内の移動にはとても便利な自転車ですが、路地内に止めることでそこに暮らす人々の生活に負担をかけてしまいます。また、宴会後の店の外での余韻もほどほどに。就寝できないといった騒音問題になります。いまなお生活道路であり、暮らす人々の邪魔にならないように配慮することを忘れない。これが路地めぐりの一番大切なルールです。

ちなみに、ルールといえば「路地」と「図子」の呼び分けをご存知でしょうか。京都では「路地」は行き止まりの袋小路のことを指し、京都の人は「ろーじ」とやや伸ばし気味に発音します。一方の「図子」は次の通りまで突き抜け・貫通している通りのことで、呼び方は「ずし」。「辻子」「厨子」などの表記を用いることもあります。かといって厳密な決まりはなく、広義にはどちらも「路地」と呼ばれています。

 

<太郎屋>
住所:京都市中京区四条新町上ル東入観音堂町473(地図)
TEL:075-213-3987
営業時間:17:00~22:00
定休日:日曜、祝日

 

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