円山公園

2代目、古木のシダレザクラに会いに

文:日沖桜庭

「祇園の夜桜」という別名もあるほど夜桜で有名な円山公園。明治の歌人・与謝野晶子も「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜こよひ逢ふ人 みな美しき」と詠ったほどです。公園全域にソメイヨシノ、ヤエザクラ、ヤマザクラ、シダレザクラが約680本、4月上旬が開花のピークで、夜はもちろんライトアップされます。露店も多数建ち並び、アクセスの良好な街なかゆえに、深夜まで多くの人がお花見に興じます。

なかでも必見なのは、園内中央に聳える雄大かつ艶やかな姿のシダレザクラ。ライトに浮かび上がるその妖艶な姿に、心を奪われます。円山公園の主役であるばかりか、京都で最も多くの人々に親しまれているシダレザクラといっても過言ではありません。

現在、2代目となる古木のシダレザクラですが、祇園のシンボルとなる初代のシダレザクラが昭和22年に枯死した際、その危機を救ったのが日本の桜の父・桜守と称される庭師・佐野藤右衛門さん親子でした。桜への愛情溢れるエピソードはとても有名で、初代の遺伝子を受け継いだ2代目のシダレザクラを現在も守り続けています。それに答えるように、樹齢85年を過ぎてもなお懸命に花を咲かせようとしている、この健気なシダレザクラ。こうした人々の想いを想像しながら鑑賞すると感動もひとしおです。

円山公園は八坂神社に隣接する京都市最古の公園で、明治19年に開設されました。その後、平安神宮神苑など京都の数多くの名庭を手掛けた7代目小川治兵衛により、大正時代に入り現在の日本庭園が作られました。24時間無料開放なので、いつでも名庭を見学できるのも魅力です。

人気の桜スポットですから、例年桜のピーク時期は混雑必至です。しかし、常に混雑しているのは、東大路通側の入口付近だけなのです。円山公園は東山の麓に広がり、東西に600メートルと奥行きがあるので、奥の方へ進めば人も少なく、藤棚やベンチなどでゆっくりと寛いでいただくことができます。鳥のさえずりを聴き、木々の木漏れ日を浴びて、街中のオアシスで自然を満喫しながらの桜鑑賞を、ぜひ。

円山公園
住所:京都市東山区円山町473(地図
電話:075-561-1350(京都緑化協会)
開門時間:園内自由
参拝料:無料
WEBサイト: http://www.kyoto-ga.jp/event/maruyama/

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