平安神宮

華やかに包まれる“神の苑”

文:日沖桜皮

平安神宮は明治28(1895)年に、平安遷都1100年を記念して創建されました。平安京の正庁・朝堂院を復元した建物は鮮やかな朱色に染め上げられ、こちらの特徴である濃いピンクのヤエベニシダレザクラとの組み合わせは、京都の他所ではあまりお目にかかれない華やかな空間を演出しています。

社殿を取り囲む1万坪の神苑は、作庭家である7代目小川治兵衛によるもので、南・西・中・東の4つからなり、それぞれ異なる趣を持っています。池を取り囲むようにおよそ300本の桜が植えられ、池の水面に映る様は平安王朝の絵巻のようです。

とりわけ圧巻は、栖鳳池というもっとも広い池に架かる橋殿(泰平閣)から貴賓館をのぞむアングル。いずれも大正時代に京都御所から下賜された建物であり、平安王朝の雅を想いながら贅沢な気分に浸れます。

ところで、文豪・谷崎潤一郎の名作「細雪」では、四姉妹が桜を見に平安神宮を訪れるシーンがあります。いくつもの桜が折り重なる向こう側には朱塗りの白虎楼がそびえ建ちます。小説の中ではこの桜を「紅の雲のよう」と例えており、とても幻想的な世界が窺えます。

鑑賞後には、桜(はな)みくじ、桜の塩漬け、桜餡八つ橋、桜の酒粕飴、桜の絵はがきなど、春限定の桜グッズの品定めも楽しみです。そしてベニシダレザクラが見ごろとなる4月上旬には、ライトアップされた東神苑で「紅しだれコンサート」が開催されます。夜桜を愛でながらの生演奏は、極上のひとときを約束します。

平安神宮
住所:京都市左京区岡崎西天王町(地図
電話:075-761-0221 
開門時間:6:00~18:00(季節により異なる)
参拝料:無料
WEBサイト: http://www.heianjingu.or.jp/

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