旬菜魚庵 はせ川

ー文:中村慶子、写真:佐藤佑樹

1978(昭和53)年の創業当時は魚屋さんだったという「旬菜魚庵 はせ川」は、京都市中央卸売市場から仕入れる新鮮な魚を使った京料理や仕出し料理で地元住民から親しまれるお店。小ぢんまりとした店内にはジャズが流れ、魚料理のお品書きの札がズラリと掲げられています。

こちらのお茶漬けの特徴は、何と言っても食材。新鮮なマグロのおいしさをいかしたお茶漬けは、魚料理が得意な店ならではのメニューです。華やかに並んだマグロの切り身にアツアツの宇治かりがね煎茶を注ぎ、霜降りの状態でいただきます。茶の成分・カテキンの作用で魚の臭みが抑えられて、驚くほどあっさりした味わい。2代目の長谷川勝己さんと次男の知史さんにお聞きすると、味付けはマグロに抹茶塩をかけるのみにとどめているそうです。シンプルな味付けによって、新鮮な魚と宇治茶のよさを生かした構成。わさびや刻みのり、大葉の千切りが、主役を引き立てます。「タイのような白身魚はあっさりし過ぎているし、漬けマグロにすると醤油の味が勝ち過ぎる。あれこれ考えて行き着いたここだけのお茶漬けです」。


このお茶漬けに、知史さんお手製の抹茶シフォンケーキと抹茶(おうす)がつくセットが「宇治茶づくし」。シフォンケーキは甘さと苦さの加減が絶妙。お茶漬けと同様、味のバランスのよさが感じられました。お茶漬けは単品でも注文できるので、夜のお酒の締めに頼むのもお薦めです。

お昼はお茶漬けのほかにも、お魚料理の楽しめるメニューがいろいろ。「旬菜魚膳」はお刺身や焼き魚など9品が少しずつ楽しめるお膳。お魚はもちろん、赤色のダイコン「レディーサラダ」などをせいろ蒸しにした温野菜も美味です。「海鮮丼」は大ぶりな赤エビやイクラなど旬の魚介類5、6種をぜいたくに味わえます。



京都市内の老舗京料理店で3年半の修行経験を持つ24歳の知史さん。もう少し修行を積んでからはせ川に戻るつもりが、2014年に初代の祖父が亡くなり、予定より早く戻ることになったそうです。「鮮度のいい魚をおいしく味わってもらいたいというのが、おじいちゃんの代から変わらぬ思い。親子で頑張って引き継ぎます」と話す引き締まった横顔が印象的でした。



〈旬菜魚庵 はせ川〉
住所:宇治市宇治壱番85-1(地図
TEL:0774-21-2820
営業時間:11:00~14:00、18:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:火曜、第3日曜、月曜夜は予約のみ営業
WEBサイト:http://www.uji-hasegawa.com/

LINEで送る