ナナクモ

ナナクモ

ー文:中村慶子、写真:佐藤祐樹

カメラマンがほれ込んだ民芸品を扱うグラフ誌のコンセプトショップ

観光客の行き交う宇治橋通り商店街を南に折れると、閑静な住宅街が広がります。立派なお屋敷の向かいに趣深い長屋が現れ、その一角に「ナナクモ」はありました。


nanakumo

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レトロなゆらぎガラスの扉を開けると、器やかごなどの民芸品がほの暗い空間にゆったりとディスプレイされています。 

 

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 「ナナクモ」はその土地の人と暮らしにフォーカスするグラフ誌「JAPANGRAPH-暮らしの中にある47の日本」のコンセプトショップで、2014年7月にオープンしました。

 

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2009年の創刊以来取り上げた「滋賀」「岩手」「愛媛」「群馬」「島根」の各号と、3月中旬発行予定の6号「愛知」の特産品が並んでいます。どれもカメラマンで編集責任者の森善之さんの思い入れが詰まった品ばかり。例えば「群馬」号で取り上げた「入山メンパ」は一般的なスギやヒノキとは違い、マツを用いた珍しい曲げものの弁当箱です。中ノ条町の山深い集落で、「入山メンパ」をたった1人で作り続ける男性は、木の切り出しから製材、メンパ作成まですべての過程を1人の手作業で行います。そんな男性の生き様や作品に感銘しながらシャッターを切り、文章をつづる森さん。日常生活でもメンパに詰めたご飯をお昼に食べ、「時間が経っても程よく水分が保たれ、アカマツの香りが弁当の時間を楽しませてくれる」と実感しているからこそ、自信を持って販売しています。 

 

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ほかにも、格別においしく秋刀魚が焼ける「三河土のコンロ」、森さんがお気に入りで良心的価格の「あけびかご」など、取材と使用感に基づく興味深いお話は尽きることがありませんでした。 

 

森さんが東京から出身の宇治に戻り、築70~80年の長屋を改装する際は、カメラやペンをコテに持ち替えて、友人たちと壁の漆喰塗りに励まれたそうです。できるだけ自分たちで内装を施し、趣深い建具をはめ込んだ空間。奥の庭もきれいに手を加えてあります。眺めていると森さんの奥様、幸子さんから「初夏になると、オオヤマレンゲが白くてかわいい花を咲かせますよ。企画展なども行いますので、どうぞまたお寄りください」と声をかけていただきました。新刊が出れば、そして季節が移り変わればまた訪れたい。そんなお店が1つ増えたことをうれしく思いながら、お店を後にしました。


〈BOOKS&FOLKART ナナクモ〉

住所:宇治市宇治妙楽144(地図
TEL:0774-21-8118
営業時間:金・土・日曜・祝日12:00~17:00
WEBサイト:http://japangraph.net/japangraph-blog/

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