嵐山 大善

かっこつけない、京寿司のお店

ー文・写真/馬場健太


「京都ならではのものが食べたい」

おそらく、京都に旅行で訪れた人みんなが思うことです。
しかし「京都らしい食べ物」って何だろう...

案外、聞かれてみると答えに困ります。
旅の予算も限られているなか、
手が届く値段で、美味しくて、
京都らしいもの食べることができる…
その条件を漏れ無く満たすお店は果たしてあるのでしょうか?

それが…あるんです!しかも、嵐山に!!!

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「京寿司」のお店、〈嵐山 大善〉

場所は、有名な「渡月橋」の右岸わたってすぐの道を
まっすぐ南下したところ。

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渡月橋から歩いて5分もかからないですが、
観光客はほとんど歩いていないエリアです。

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まず、「お寿司屋さん」ときいて、
身構えてしまうのは僕だけではないはず。
しかし大善の場合、お店に一歩足を踏み入れればわかります。
いわゆる余計な「格式の高さ」はありません。

 

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おばあちゃんの家に遊びにきたかのような
どこか懐かしい雰囲気が漂う店内。

 

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お店を営むのは、横山さんご夫妻。
もともとは中京区の円町で営んでいたという「大善」ですが、
2年前にご主人の実家である嵐山に移転してきたそうです。

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京都の文化とともに

そもそもあまり聞き馴染みがない「京寿司」ですが、
他のお寿司とどこがちがうのでしょうか?

店主の横山智進さんに教えていただきました!

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「寿司は江戸前鮨と関西寿司のふたつに分かれるんですけど
ざっくり言うと関西寿司のなかにある京寿司という立ち位置になります」

「日常の生活のなかでも、
特に、おめでたい日に用意されるお寿司です。
家庭でもおばあさんやお母さんがつくる特別な料理であり、
祝い事や神社やお寺での御茶会、お花、
いろんな会や座敷に「映える」寿司なんです。

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「京寿司自体の見た目は地味なんですけど
その分、綺麗な京焼の色絵のものとか漆塗りの器に
きちんと盛りつけて、見栄えを華やかにするのが京寿司です。

味はもちろんですが、それよりも
京都の暮らしや文化のなかで育まれてきたお寿司ですね」

 

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京寿司はカウンター席よりもお座敷・テーブル席でこそ映えるからこそ
大善では机の席がメインになっています。

 

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本当は、カウンターはいらないくらいなんですけど...
と言いつつ案内していただいた
靴を脱いで上るスタイルのカウンター席。
こちらもすごく落ち着きそう!!!
後ろに赤ちゃんを寝せたりするのにもOKなように…とご主人の優しさが行き届いたつくりになっています。

 

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はじめての京寿司

実際に京寿司をいただいてみます。

代表的な京寿司である

鯖寿司、
小鯛の笹巻寿司
ちらし寿司をいただきました!

menu

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たくさんの種類を食べてみたい人には「組み合わせ」がおすすめ。
2種類で1260円〜 1500円前後。

冬には「蒸し寿司」なるものが登場したり
季節ごとに特別なメニューが登場するのも、京寿司の魅力です。

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京都ではとても古くから作られている「笹巻き寿司」
笹の葉っぱには香りづけと殺菌の作用があるそうで、
いま、これを食べれるところは本当に少ないそうです。

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saba

鯖寿司には昆布が巻いてあるのは、
乾燥をふせぐのと
出汁をしみこませるため。


大善では、季節ごとにベストの鯖寿司を食べてもらえるよう
仕入れ先を時期に応じて変えながら
どうしても旬なものを提供できない夏の間は鯖寿司をやめているそう。 

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こちらは、壬生菜という京都のお野菜をお漬物にして巻いた
大善オリジナルのお寿司です。

「祇園にある〈原了郭〉の黒七味をまぶしてます。
ピリ辛なんですけど、日本酒にぴったりあいますよ!」

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そして、見た目もとても華やかなちらし寿司!
ごはんには干瓢椎茸の
細かく刻んだやつががまざっいて、
上にはきざみのりと錦糸卵、焼きアナゴと小鯛とエビ、
赤いのは朱芽じそという、赤紫蘇のちっさいやつと木の芽が乗っています。

 

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かっこつけないお寿司屋さん

京寿司だけではなく
居酒屋的一品料理も多数。
牛すじにんにく炒め、ねぎ味噌、おあげ焼きなどなど...どれもおいしそう!

日本酒

日本酒も5~6種類常備!

 

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「最初はもうすこし割烹料理のようなものを出していたのですが、それだと京寿司よりも〆にはにぎり寿司がたべたくなってしまう方が多くて。
豚バラのような"かっこつけない"料理を出していると、最後に壬生菜の巻き寿司や鯖寿司の注文をいただけるようになりました。この流れが2年ぐらいやってきて、わかってきたんです。」

お店のつくりといい、メニューの構成といい
すべては、京寿司をおいしく食べてもらうための、
京寿司とよりよく出会うための名脇役というわけです。

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横山さんが、それほどまでに「京寿司」にこだわるのは
生活文化の変化とともに
京都内でも「京寿司を食べれるお店がほとんどなくなっている」という背景もあります。

 

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「京都、大阪もそうですけど
関西寿司がなくなりそうなんですよ。

もうやる方がいらっしゃらない。
いまもう年配の職人さんとか亡くなりはったら
跡継ぎいはらへんし
ほぼ、にぎり寿司に変わっていきますね。

それはもったいない、
残していきたいと思っています」


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大善では、使う魚もすべて日本近海のもので、
一般的なお寿司屋さんにあるお魚を取り扱っていないこともあります。

「天然ものにこだわっているので
たとえばサーモンは扱っていなかったり
あらゆる要求に応える、というわけにはいきません。

無理矢理押し付ける、ということよりも
”こんなおいしい魚が日本にはある”というのを感じてもらえると何よりです。」

 

 

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旅にでるのは、
自分が暮らしているところと「違う」何かに出会って、
触発されたり感動すること、新しい扉をひらくことが醍醐味です。
今日のお昼、なにたべよう? そのことにもこだわりたい、ですよね。
京都だからこそ味わうことのできる、
文化や伝統を帯び、それでいて普段着でも行くことのできるお店。

 

旅行で京都を訪れる人には、本当におすすめです。

嵐山を訪れる際は、ぜひ、足を運んでみてください!

 

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〈嵐山 大善〉

電話:075-882-0018
住所:京都府京都市右京区嵯峨伊勢ノ上町10-3(地図
営業時間:11:30~21:00(L.O 20:30)
定休日:木曜日
Facebookページ:http://www.facebook.com/arashiyamadaizen

★この記事は、Seanacey Pierce (シャナシー・ピアース)さんによるTRAVEL IDEA「観光シーズンでも、落ち着いて楽しめる。元花街の島原と、嵐山のシークレットスポットをめぐる旅」のTRAVEL SPOTとして紹介しています他のTRAVEL IDEAもぜひご覧ください。

 

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