HOUSE of HOSOO / showroom

手にとって触れる、1200年の伝統の技

 ー文・写真/馬場健太 

 

京都はいま、うごめいています。
長い歴史のなかでも、ひとつの転換期にあるのではないかと
京都初心者ながらも熱っぽくそんなことを思ってしまうような
ワクワクするような動きがあちらこちらで起きています。

そのひとつが、京都の伝統の技を、現代の感性にアップデートし
世界へ向けて輸出していく動きです。

 

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1688年に創業した西陣織の〈細尾〉はまさしく、その最前線を走る老鋪のひとつ。

西陣織の織機はそれまで
着物や帯用に32センチまでの幅しか織ることができなかったのですが

〈細尾〉では、5年前に世界にひとつだけの
150センチまで西陣織の素材・技術を出来る新たな織機を独自に開発!し

 

これにより、1200年間にわたり培われてきた日本最高峰の伝統の技・素材が、帯や着物に留まらずさまざまなものに使えるようになりました。

 

その成果は目覚ましく、

・世界約20都市にあるクリスチャンディオールのショップの壁面や椅子の張地。その他シャネル/ルイヴィトン/Leicaなどのラグジュアリーブランドの内装

・世界的ファッションデザイナー(ヨウジヤマモト、ミハラヤスヒロ、コムデギャルソン、トム・ブラウン)とのコラボ

などなど、西陣織の活躍のフィールドが世界へ、さまざまな分野へと広がっているのです。

 

hosoo堀川今出川から少し入ったところにあるショップ兼ショールム〈HOUSE of HOSOO〉では、

細尾の西陣織を活かしたプロダクトや家具、気鋭の伝統産業の担い手によるプロジェクト「GO ON」の製品を手に取ることができます。

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1Fの商品は、その場でも購入が可能です。

 

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2Fには西陣織の生地をファブリックとして活用した家具やGO ONのプロダクトが並んでいます。JAPAN HANDMADEでもコラボしているデンマークのデザインチームがスタイリングを行っており、和と洋が見事に調和した空間になっています。

 

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案内してくださったのは、
新しい織機の開発と西陣織の海外展開への立役者、取締役の細尾真孝さん。

恐縮ながら
そもそも、西陣織とは?という初歩的なところから教えていただきました。

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西陣織=お誂えの織物

京都に都が移った1200年前ごろから育まれてきた西陣織は、古くから天皇や貴族、将軍家へ献上されてきた「お誂え」の織物。
なかでも応仁の乱のときに「西陣」と呼ばれていたエリアで盛んになったため、その名前がついているそうです。

その頃はオーダーをいただいてから半年~1年かけてそれをお納めして
1年分のお金をいただいて、の繰り返しで
ある意味お金に糸目をつけないようなつくり方が可能でした。
そういうパトロンのもと、ひたすら美しい物をつくりつづけてきたのが西陣織のバックグラウンドになっています」

 

20の工程を経て生み出される先染め織物

「西陣織は約20もの工程を経て生み出されます。
デザインをする、版をつくる、糸を紡ぐ、糸を染めるなどなど
それぞれひとつの工程に、一人のマスタークラフトマンがいます。

 

すべて、ひとつの会社で内政化しているわけではなく、
西陣という7キロ圏内に代々受け継がれてきたファミリービジネスとして
分業化されていて、リレー形式で仕上がっていきます。
なので"織る”のはいわば最後の20工程目です」

 

予算に糸目をつけず、ただひたすらに「これまでになかった」「斬新で美しい」織物を生み出すための技が育まれてきた西陣織。

だからこそ、世界に類をみない独自の技術をもち西陣にしかない素材、が数多くあるのですね..!

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百聞は一見に如かず、ということで
テキスタイルのアーカイブを実際に見せてもらいました!  

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まずは、表からみると透けるが、裏からみると透けない、マジックミラーのような織物。

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このテキスタイルはNYのアーティスト、テレジータ・フェルナンデスの「Nishijin Sky」に採用されています。

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(1Fに試作品が展示されています。実際の作品はこれが4枚ジョイントされる)

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次にみせていただいたのは
和紙の上に金箔を貼って、スリップ上に細かく裁断し1本ずつ織り込んだもの。

 

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この素材は300年以上前に開発されたもので、当時はすべて手作業で髪の毛くらいの細さまで裁断していたというから驚きです!

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さらにこちらは「お召糸」といって、将軍のお召し物のためにつくられた素材。同じく数百年まえに開発されたものだそう。
熱を加えて織物を立体的にする、というのは他の素材にもあるそうですが、これは織りの技術だけで立体になるという西陣織独自の素材です。

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西陣織独自の織りの技法は本当に「西陣織にしかない」ものも多く、このショールームにはルイ・ヴィトンなど世界的ファッションブランドのデザイナーや、ファレル・ウィリアムスやジャネットジャクソンなどビッグアーティストもこれまでに訪れたそうです。

確かにもし自分が「布」や「繊維」にたずさわる人だったら、実際に西陣織のすごさを目の当たりにできる喜びは計り知れないなと思いました。

 

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また、細尾さんのこの言葉がとても印象的でした。

伝統工芸のものとか、織物もそうですけど
結局モノだけで存在してるわけじゃなくて
着物にしても
お茶・お花・お寺とか
食も含めていろんな文化と密接にかかわりがあって成り立っています」

「京都に来られて、
僕らの、モノの背景の部分も体感していただくことで
結局そのモノがなぜ生まれているか、なぜそこに価値を見出してるのか
そこを、感じていただける、みたいなところも、京都のおもしろさかなと思います」

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モノが生み出される背景にある、京都の生活文化や伝統。
逆に「モノ」に触れて、みつめることで見えてくる京都の、日本の奥深さ。

 

〈HOUSE of HOSOO〉では、連綿と受け継がれてきた西陣織の伝統の技と、世界に向けて広がりつつある「現在進行形の伝統」を体感することができます。
旅の合間に訪れれば、京都での滞在がより一層奥深いものになります!

 

ショールームに行きたい方は:

平日の10時~17時までの完全予約制となっております。
お一人様からでもOK!英語対応も可能。
少人数で対応を行っているため、必ずしも予約希望の時間に行けるとは限りませんのでご注意を。事前に電話して行くのがベターです!

 

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〈HOUSE of HOSOO / Showroom〉
住所:京都市上京区黒門通元誓願寺下ル毘沙門町752(地図
電話:075-441-5189
営業時間:10:00~17:00(要予約)
定休日:土日祝

 

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