西村鮮魚店

昼は魚屋。夜は居酒屋。  

ー文・写真/馬場健太

BEACON KYOTOでは

「京都で友人を案内するとしたら、どこへ連れていく?」をテーマに、さまざまな旅のプランをつくってもらっております。

今回ご紹介する〈西村鮮魚店〉は、おそらく、そんなテーマだからこそ辿りつくことが出来たお店です。

海外の人も、京都に旅行へ訪れたときに、ぜひとも知っておいて欲しい「昼は魚屋、夜は居酒屋」の〈西村鮮魚店〉。

 

 西村鮮魚店

烏丸御池からもほどちかい六角室町通り。
マンションが立っている一角に、通り沿いからは看板だけが目に入ります。

西村鮮魚店

お店らしきお店は見当たらないものの奥に向かって進むと、少しせり出した建物があります。こちらが〈西村鮮魚店〉です。

 

西村鮮魚店

西村鮮魚店

入るまでにすこし勇気がいるのですが
一歩足を踏み入れると、こじんまりとしていながらもあたたかい空間がひろがっています。カウンターに腰掛けてみると、はじめてなのに「自分は常連だったのではないか」と錯覚してしまうほどの落ち着きというか居心地の良さが身体を包み込みます。カウンター7席のみなので、隣のお客さんとも自然と会話がはじまる距離感と空気感。

 

 西村鮮魚店

その空気と、お店のあたたかい雰囲気をつくりだしているのは、存在全体から、「心意気」がにじみでているかのような、店主の三村さん。

〈西村鮮魚店〉はもともと嵐山にあった、40年以上続く魚屋さんでした。
(三村さんの父親が屋号を修行先から引き継いだため、苗字が三村だけど西村鮮魚店。”村”だけ偶然の一致。)

 

 西村鮮魚店

三村さんは、若いころ自転車と映画に明け暮れ、高校卒業後は飲食店を転々としていたそうです。
30歳になり、鮮魚店を引き次ぐにあたり、魚屋さんのみでは商売がどんどん成り立たなくなってしまっていた現状を踏まえて、夜は居酒屋を営むことに。

 

西村鮮魚店 メニューは、その日の仕入れ次第。毎日、営業のはじまりに黒板にメニューが書きだされます。

  西村鮮魚店

まずは、「お惣菜のちょっとずつ全部盛り」をいただくことに。
一皿に、ナスときゅうりの味噌和え・あさりのしぐれ煮・あじの南蛮漬・ポテトサラダ・おじゃことかぶの葉・れんこんときんぴら・いわしのたいたんがちょっとずつ乗って 950円。こちらもその日によってラインナップは変わります。

 西村鮮魚店

美味しい。全部おいしい!
これまでに培ってきた、飲食店の経験が活きているのですか、ときいてみると

このお惣菜に関しては、数年前に一緒にお店に立っていたお母様のレシピなのだそうです。

京都の、繊細でやさしいおふくろの味。染みます。

 

一皿に、ナスときゅうりの味噌和え・あさりのしぐれ煮・あじの南蛮漬・ポテトサラダ・おじゃことかぶの葉・れんこんときんぴら・いわしのたいたんがちょっとずつ乗って 950円。 「野菜が欲しい、というときはこれとビール1杯だけでもけっこう満足ですよね」

ほんとその通りです。軽く飲みたくて、おいしいお惣菜が食べたい、ってときは超いいです。

 

西村鮮魚店 お待ちかね。お魚屋さんによる、お魚料理。
お造りに、焼き魚、煮魚などなど一通りございますが
まずは鯖のきずし。現在も、お昼の魚屋さんでお店に立っている、三村さんの父親がしめたきずし。鯖の油の乗り方によって、しめる塩梅を調整するなど熟練の技が光ります。

西村鮮魚店

あとで鯖寿司もいただきました。京都にきてからというもの、この鯖寿司というたべものの虜なのですが、魚屋さんらしくこだわりも多く語らずヒョイっと食べさせてくれるのが嬉しい限りです。西村鮮魚店はお値段も全体的にリーズナブル。

  西村鮮魚店 西京焼き

さわらの西京焼き。(800円)
西京焼きは、京都の白味噌に魚を数日間漬け込んで、焼き上げたもの。もともと、海に面していない京都の人々が編み出したより美味しく長く魚を食べるための保存食のひとつだったそう。 

西村鮮魚店

この西京焼き...超絶うまかったです。絶対食べたほうがいいです。かめばかむほどに上品な味噌の旨味が口の中に広がります。

こういうのって、確実に「白ごはん」いきたくなるのですがこれひとつでの満足感が半端ないので、白ご飯いらないんですね。
お酒のアテとしてこれ以上のものがあるのでしょうか、と呑兵衛っぽいコメントを発しておりますがこの時点で顔は真っ赤です。

 西村鮮魚店

顔が真っ赤になるのは、お酒もうまいからです。こちらはかりんのはちみつ漬けのカクテル。1ヶ月ほどかりんを漬け込んだものにワイン・日本酒・焼酎、どれかをチョイスして割ってもらいます。季節によって、レモンやしょうがなど、その時期の果物をつけこんだカクテルをつくっているそう。

 

西村鮮魚店 日本酒や焼酎もいろいろと取り揃えており、そのチョイスは、自ずと、海にちかいところでつくられたお酒になるそう。

「海辺のおっちゃんたちのほうが、海辺のもんにあう酒の味をわかってはるんかなと」

たとえば、スコットランドのアイラ島でつくられるウイスキー「ラフロイグ」は牡蠣にめちゃくちゃ合うらしく、現地のおっちゃんたちはみんな牡蠣を片手にウイスキーを嗜んでいるらしいです。日本酒や焼酎もおそらく似たようなもの!

この日、たまたま、以前ここでバイトをしていた方が飲んでおられて
その方はいま、八百屋さんにつとめておられて
幸運なことに、おすそわけをいくつかいただきました。

西村鮮魚店

「ムカゴ」...山芋の赤ちゃん的存在。少し大きめのホクホクした落花生のような。

西村鮮魚店 クワイ

「クワイ」...日本でもごく一部でしか生産されてない野菜。京野菜のひとつでもあります。中華料理屋さん〈鳳泉〉のシュウマイに入っていたので名前だけ知っていたのですが、まるごと食べたのははじめて。香ばしくておいしい! 

どちらも、三村さんが即興で素材の味を引き出した調理を行ってくれました。

 西村鮮魚店

再び京野菜。
むかしねぎの姿焼き。
ネギだけですよ。甘くて旨味たっぷり。

西村鮮魚店

お吸い物にもしていただきました。

「こういうのは、シンプルな味付けがいちばんうまいです」  と三村さん。

 

西村鮮魚店

京都で、地に足をつけて
まごころをこめて料理をつくっているところはほとんどが地元の食材をつかっているので、「京料理!」を掲げていなくても、京都でしか食べれないものばかりだなぁと感銘をうけます。

(あと、美味しい料理をだしてくれるところはわざわざ「京野菜」「京料理」などと掲げていないところが多い気がします!)

 

〈西村鮮魚店は〉まちなかにありながら、
偶然通りかかって、では辿りつけないところにあります。
その分、ガヤガヤしていないし、落ち着いておいしい魚料理やお惣菜、お酒に酔いしれることができます。カウンター7席のみのお店ですので、ふたりか、ひとりで行くのにおすすめです。

お昼は、お惣菜をつかったお弁当も販売しているとのことで、このあたりで働いている方は要チェックです!

 

 

〈西村鮮魚店〉

住所:京都府京都市中京区玉蔵町130(地図
営業時間:18:30~23:00(L.O)
定休日:土曜日
>>Facebookページ

LINEで送る