酒肴屋じじばば

ジャンルレスに楽しむ、酒とアテの組み合わせ〈酒肴屋じじばば〉

―文 / 牟田悠   写真 /馬場健太

京都駅から徒歩数分。ひっきりなしに車が行き来する七条通り沿いに、昭和からタイムスリップしてきたような飲屋街があります。その名も「リド飲食街」。昭和30年頃からあり、京都タワーの建設中に工事現場の方がよく飲みにきていた場所だそうです。

46-IMG_7134_1七条通りに面した、リド飲食街の入口

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細い路地にいくつもの飲み屋さんがひしめくなか、今回は〈酒肴屋(さけのあてや)じじばば〉さんに伺いました。

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まずご紹介したいのは、ドリンクメニューの豊富さです。

ビール、日本酒、ワインはもちろんのこと、紹興酒や泡盛、シェリー酒にグラッパ、ブラジルのお酒・ピンガまで。いろいろと冒険してみたくなるラインナップではないでしょうか。

「酒肴屋」という店名のとおり、料理もお酒に負けず劣らずバラエティ豊か。

生ハム、麻婆豆腐、タコス、ピザなど、「お酒がすすむ」という共通点のもと、洋の東西を問わず幅広いメニューが用意されています。

08-IMG_7044_1店主の中村さん

「よく『この料理にはこのお酒』っていわれるけど、外した方が面白いし、極端にいってしまえば合わない酒と料理なんてない。お客さんに相性を聞かれることもあるけれど、『なんでも合うよ』と答えています。今は選択肢がたくさんあるんだから、コレにはコレなんてことは言わないで、自由に飲んで食べてもらいたいです」と、店主の中村さんは語ります。

「35才以上限定」は神亀酒造のキャッチフレーズ。自己申告でOKとのこと「35才以上限定」は神亀酒造のキャッチフレーズ

カウンター奥のボードには、日本酒のラインナップが。「35歳以上限定」という但し書きが気になって、1杯目はそこから選びました。微発砲の「神亀純米活性にごり酒」。つきだしは、ブルーチーズ入りポテトサラダとホタルイカの沖漬けです。この2品はこれだけでうっかり1杯空けてしまいそう。

04-IMG_7036_1神亀純米活性にごり酒。シャンパングラスになみなみ注がれています11-IMG_7049_1つきだしの2品。左がホタルイカの沖漬け、右がブルーチーズ入りポテトサラダ

この日は、自家製ラー油の仕込み中でした。中村さん曰く「辛みもまあまあ付けますけど、それよりも色と香りの方が大事」とのこと。

20-IMG_7070_1菜種油に、複数種類のコショウやアニスがたっぷり

食欲を刺激するスパイシーな香りに誘われて、アボカドスライスのラー油かけを注文しました。鮮やかな色のラー油に、九州産の少し甘みのあるお醤油がたらーり。口に入れるとアニスの香りがふわりと広がり、既製品しか食べたことのなかったラー油のイメージが一変します。

アボカドの自家製ラー油かけアボカドの自家製ラー油かけ後日いただいた担々麺。ボリュームがあるので、しっかり食べたい方にもおすすめ後日いただいた担々麺にも自家製ラー油が使われています。ボリュームがあるので、しっかり食べたい方にもおすすめ2杯目は「上槽中汲(じょうそうなかくみ)純米無ろか生原酒」。透明の枡が粋です2杯目は「上槽中汲(じょうそうなかくみ)純米無ろか生原酒」。透明の枡が粋です

続いて、看板メニューの牛すじチリソース煮をオーダー。熱々で出てきて、ひとかけ乗せられたバターがあっという間にとろけます。中華のレシピで作られているとのことで、お肉の柔らかさがたまりません。

おかわりで注文した紹興酒にもよく合います。

バゲットにたっぷりソースをつけていただきます甕から注いでもらえる紹興酒。約10年間、つぎ足しているのだそう

食べているうちに、お店のなかは満席になりました。お客さん同士の距離が近いので、隣の席の方が注文している生ハムがうらやましくなったり、反対に「それ、何飲んでるんですか?」と尋ねられたり。お酒と料理をジャンルレスに味わえるお店だからこそ、人の注文も参考にしたくなるのかもしれません。

おとなりのお客さんが注文していた、スペイン産のイベリコ生ハム。その場でスライスしてもらえますおとなりのお客さんが注文していた、スペイン産のイベリコ生ハム。その場でスライスしてもらえます

その場に居合わせたお客さんが、なんとなく親近感を覚えながら各々楽しめる…〈酒肴屋じじばば〉は、お酒好きが集う隠れ家のようでした。

 

〈酒肴屋じじばば〉

住所:京都市下京区東境町180 リド飲食街内
TEL:090-2010-3912
営業時間:18:00〜1:00(フードL.O.23:30)
定休日:日曜・祝日休

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