高貝商店

伏見・大手筋商店街で小腹が空いて、やさしくて甘いものが欲しいときは。 

―文・写真 / 馬場健太

 

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この「小麦粉を主体とした生地に餡を入れて金属製焼き型で焼成した和菓子」をあなたは何と呼んでいますか?

「どら焼き」や「たい焼き」に並び、いやもしかするとそれら以上に
日本人の生活に根ざしている、この和菓子。

「回転焼」や「今川焼き」「どんどん焼き」などなど地域ごとに呼び名はさまざまですが

伏見桃山の大手筋商店街周辺で生まれ育った方はおそらく
この和菓子を、”とある特別な名前”で呼びます。

 

 

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大手筋商店街とは
伏見稲荷神社より少し南の伏見桃山エリアにある大きな商店街でして、京都市内の、たくさんの観光客でにぎわう商店街とほとんど変わらないか、それ以上のにぎわいをみせます。お客さんの大半は地元の人々です。

 

 

 

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商店街内にはついつい足をとめたくなる魅力的なお店がたくさんありますが

「小腹が空いたし、ちょっと甘いものが食べたいぞ」なんてときは

ぜひとも〈高貝商店〉で足を止めましょう。

 

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ピタッ。ここが〈高貝商店〉。看板がでているわけではありませんが

クレープの屋台と、メニューの張り紙が目印です。

 

 

01-IMG_1966_1こちらが噂の天輪焼です。

 

ここが冒頭で触れた、「小麦粉を主体とした生地に餡を入れて金属製焼き型で焼成した和菓子」を”とある特別な名前”でつくって売っているお店。その名も「天輪焼」といいます。

 

〈高貝商店〉は先代が60年前に奈良からやってきて、この「天輪焼」ひとつからお店をはじめました。ネーミングの由来は、先代の生まれ故郷、奈良の「天理」と、形状の「輪っか」なのだそうです。

 

 

 

15-IMG_2018_1お店を切り盛りする、2代目ご主人と奥さま

 

07-IMG_1983_1特別に、半分に切ってもらいました

天輪焼はここ〈高貝商店〉か、同じく先代の意思を継いだご兄弟による奈良のお店で食べることができます。その名前は、土地が変わっても、この家族がつくったものであるという証でもあります。

 

 

08-IMG_1985_1な、懐かしい〜!という声がこぼれる方も多いのでは。全種類 1個100円。

左から、北海道産小豆を使用した粒あん ・白あん / 自家製のカスタードクリーム。生地はふんわりやわらか。甘さがほどよく、自分が故郷の九州で食べていたものより全体的にやさしい感じがしました。

小さい時から、個人的にはこの中だと「カスタード」が大好物です。洋菓子と和菓子の間をゆく、不思議な立ち位置にグッときます。

 

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天輪焼の他にも、昔ながらの手作りアイスキャンデー、
生姜の効いたひやしあめ、お好み焼き、焼そば、焼うどん、たこ焼、クレープなどすべてがこのお店でつくられる手作りの味。ほとんどが500円以下というリーズナブルなお値段です。

 

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取材中も、

何人もの中高生が学校帰りにクレープを買いに立ち寄り

近所の奥さまがひやしあめを、大きなペットボトルいっぱいに買っていきました。

 

 

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日本のコンビニエンスストアはいまや日本中どこにでも同じものが同じ質で売られていて、とても便利ですが

昔ながらの商店街の、長く続いているお店には、
お、また来てくれたね〜 なんて言葉を交わしてもらえるようなお店には、
他の誰でもない「その人」が立っています。売っているモノの「名前」や「メニュー」が同じでも、きっと味はぜんぜんちがいます。

〈高貝商店〉の先代が、子供が生まれたときのように
オリジナルの名前をつけた「天輪焼」。

「ここにしかないものをつくる」という気持ちは、いまの〈高貝商店〉にも受け継がれ、伏見の人々の「思い出の味」をかたちづくっています。

 

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〈高貝商店〉

住所:京都府京都市伏見区東大手町766(地図)
電話番号:075-621-2294
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日

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