iroiro

何かがはじまる前の「いろいろ」が集う場所。

―文・写真 /馬場健太

「きっと、iroiroにいくといいよ」

京都に通い始めて間もないころ、
そんなアドバイスをもらいました。

 「あそこには、よくおもしろい人が集まってるから」

〈iroiro〉とは
京都のなかでも、特に古い歴史をもつ松原京極商店街にある
デザイン事務所とショップ、飲食店、本屋さんが一体となった場所です。

そこは、学生時代によく読んでいたWEBマガジンでもたびたび名前が挙がっていた場所で、ちょっとした憧れを抱きつつ  

 まだ、足を運んだ回数は片手で数えれるほど、なのですが

夕方や夜になると〈iroiro〉に行こうかな って自然と思うようになった自分がいて、京都での生活のなかで、欠かせない存在、ひとつの拠り所になっています。

 

よく、カフェ だとか バーとか宿とか
本屋さんでもレコード屋さんでもなんでも、
地域のなかでコミュニティの中心になっているようなお店は

その役割を、良い意味ではみだしていることが多いですよね。

 なぜだか、いい感じの人たちが集まる。良き出会いがある。あそこに行くと何かが起こる。

 iroiroは最初からそれぞれの「はみ出した」部分が融合して、
ひとつの場所として成り立っている、ようなところです。 

日が暮れると、その通りのお店はほとんど閉まるので、〈iroiro〉のところだけ、灯りがともり、温かい空気を放っています。

靴を脱いで上がると、迎えてくれるのは〈iroiro〉の飲食担当、谷田あやこさん。

谷田さんのつくる料理やお酒、iroiroで食べたり飲んだり出来るメニューは

1.商店街や近所で手に入る食材をつかってつくれるもの
2.お酒がすすむもの
3.お客さんがたべたいもの
この3つをベースにつくられています。どれも おいしくて嬉しい驚きのあるものばかりです。聞き馴染みのある料理名でも、なにかしらのおいしいアレンジが加わっているのです。 

 

バルクソーセージ マッシュポテト添え #menu

iroiro(food,shop&books)さん(@iroiro_in)が投稿した写真 - 2014 11月 9 12:43午前 PST

大人気メニューの自家製バルクソーセージ

 

最近新たに登場した、バターチキンカレーに定番メニューのハムカツ(松原キムラのハムカツ!) を乗せるという合わせ技を特別にやっていただきました。

...なんだかガッツリ系ばかりの紹介になりましたが
お酒やカフェ・デザートメニューもいろいろあります!

メニューは随時増えていっておりますので

ぜひインスタグラムをご参照ください。

 

そして料理だけでなく
谷田さんの醸し出す、

気をつかってないようで
気をつかってるみたいな

ボクサーでいう見えないパンチを
出してるような感じ(わかりにくい例えですいません)

ほっといてくれてるようで気にかけてもらってるような居心地のよさは
なんだかまた足を運びたくなる理由のひとつなのです。

谷田さんに、〈iroiro〉が、いくつもの要素が組み合わさっていることに関して、どう感じているかをきいてみると

 「あんまり、意識したことはないかもしれないです」との答え。

 「でも」

 「ご近所さん同士が、みんなここで知り合って、仲良くなって
ちがうところでも集まって鍋やったり、鴨川に行ってたりする、みたいなことが起きるのは面白いし、嬉しいですね。」

「それから不思議と、海外のお客さんも多くて。

通りすがってふらっと入って来る方もいれば
気に入ってくれて、京都滞在中に毎日来る方もいます」 

 

そして、海外からも注目を集めるのが、〈iroiro〉内にある本屋さん〈YUYBOOKS〉.

 国内外の写真集、雑誌、ZINEやリトルプレスに絵本など、他の本屋さんではなかなか見かけない本が並んでいます。

 

本屋さんといえば、てっきり、なんというか人と話すよりは本読んでるほうが好きで、

寡黙で、あんまり話しかけられたくなくて、なんてイメージが先行しがちですが

こんなに楽しそうに本屋さんをやっている人がいるのか!
というくらいに、楽しそうに本屋さんをやっているのが 

〈YUYBOOKS〉の小野友資さんです。

本業はモーションデザイナー。平日は会社員としてバリバリ働き、土日は〈iroiro〉にて〈YUY BOOKS〉の接客を行っています。

 

〈YUYBOOKS〉の本は、「著者や、本そのものに"物語性"があるもの」をベースにして、すべて小野さんがセレクトしたもの。

直接制作者や出版社に連絡をとって、仕入れているそうです。 

YUYBOOKSではぜひとも、小野さんに気になる本や、おすすめの本をきいてみましょう。

たとえば、海外の雑誌で、イチオシはありますか?ときいてみると..


出してくれたのがこちら。

 「ベルリンのファッション誌で、作り方がすごいおもしろくて。
ひとりが、編集、デザイン、カメラ、スタイリングと、すべてこなしていたりするんです。名刺も、表紙の余った紙をつかってつくられたりしていて。」

こういうお話は、雑誌好きとしてはたまりません...!

さらになんと小野さん、先日ベルリンでこのOE magazineをつくってる人たちに会ってきたそうです。一体どうやって...? 
「向こうから、連絡が来まして..」

マジすか!

というのも、〈YUYBOOKS〉立ち上げ時には、自分から海外のほうにメールを送っていたそうですが、それが今は、海外からどんどん「〈YUYBOOKS〉に本を置きたい」と連絡がくるそうです。

 

「(本屋を)京都でやっている、というのも大きいのかもしれません。みんな海外の人も、京都に本を置きたい人は多いみたいですね」

 旅行者のなかでも、たまたま〈iroiro〉に入ってきた海外の方が「これ、私が作ってる本です!なんでここにあるの?」となるそうです。

写真撮るときだけ「どういう顔したらいいかわらなくて」と、普段全くみせない「真顔」になる小野さん。

場所を変えても、どうしてもこの顔。 

笑ってくれました! 

 

 「iroiroに来てからは、いいことだらけです。出会う人の質がぜんぜん変わりましたし、本屋を目的に来てくれた人が、いつのまにかカウンターに座ってお酒を飲んでいたり、その逆があったり。素敵やなぁとおもいます。」

 

 

不思議と、波長が合う人が集まったり、打ち解ける。目に見えない偶発性や、空気感。
谷田さんや小野さんの存在もさることながら、

この〈iroiro〉という場をつくった、「いろいろデザイン」のサノワタルさんの存在はやっぱり大きくて、むしろ、そういった空気感や偶発性も狙ったうえでサノさんはこの場をつくったのだと思います。

 

サノさんは、このお店だけでなく、本業であるデザイン(http://sanowataru.com)、トークイベント(いろいろトーク)、スクール(iroiro school)に至るまで、まさしく「いろいろ」なデザインを手がけています。

 それから「Refsign Magazine Kyoto」という京都のウェブマガジンを2008年からスタートさせる等、メディアづくりにおけるBEACON KYOTOの先輩的存在でもあるのです。

 

   

 

SHOPは、サノさんがセレクトした、使いやすい日用品・誰かにプレゼントしたくなる雑貨が並んでいます。店内と、オンラインショップでも購入が可能です。

 

 

求めていたものだけじゃなく
予想外のものにも出会える場所。
〈iroiro〉での体験は、大好きな雑誌のページをめくるような

感覚に近いのかもしれません。

 

ってさんざんに特別感を演出してしまいましたが

ふつうにお店として、本屋さんとして、いい空間ですので、ふらりと足を運んでみてください。 最近まわりに、京都に暮らしはじめた、なんて人がいたら、ぜひ、こういいましょう。

 

「きっと、iroiroに行くといいよ」

 

 

〈iroiro〉

住所:京都市下京区松原通油小路東入ル天神前町327-2(地図
電話:050-1545-5689
営業時間:15:00-23:30(l.o.)
定休日:火・水 

WEBサイト:http://iroiro.in

 

 

 

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