オムロンコミュニケーションプラザ

「世界はオムロンでできてるんじゃないか?」
驚きと感動を呼ぶ〈オムロン コミュニケーションプラザ〉

写真・文 石野亜童

 

京都には世界に誇る素晴らしい企業が集結している。独自の理念を持ち、価格競争に陥ることなく新たな製品を世に送り出す。そんな精神を持ちあわせた企業が京都に本社を置いているのだ。

今や35カ国に拠点を持ち、110カ国でサービスを展開、従業員の数は39,000人という京都が誇るグローバル企業「オムロン」とは実際にどんな会社なんだろう。
そんな疑問のほとんどを解決してくれるのが〈オムロン コミュニケーションプラザ〉なのである。

体温計のオムロン!体重計のオムロン!ぐらいの軽やかで浅はかな知識ぐらいでさっそく飛び込んでみることにした。

コミュニケーションプラザは2フロアから構成される。3Fは歴史、2Fは技術について展示されている。

まずは3Fのオムロン歴史フロアへ。

「われわれの働きで われわれの生活を向上し  よりよい社会をつくりましょう」

シンプルかつ強くて壮大。オムロンの社憲が迎えてくれた。


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そこからぐるりとオムロンストーリーが始まる。
創業者、立石一真さんのパネル。

 

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創業は1933年。入り口に掲げられた社憲はこの立石さんの言葉だ。

「企業は、単なる利潤の追求だけではなく、社会に存在する以上、社会に奉仕する義務がある」「それが経営者の社会的責任であってそこに企業の公器性がある」

これがオムロンというグローバルな企業の根っこに流れているDNAであり精神なのだ。

この立石さんのパネルは、ぜひじっくりと読むことをお勧めしたい。社会という世界に生きている僕らにもハッとさせられる言葉ばかりだから。

5年先、10年先を見越して社会のニーズを捉える。それに先行する技術を持ち、事業を通じて社会の課題を解決する。
「機械にできることは機械にまかせ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきだ」

「1933年」という時代にこの思想を持っていた立石さん。2015年に生きる僕らに今でも直接響く思想、まだ1枚目のパネルなのにすでに揺さぶられてしまった。。

 

om02_IMG.jpg右側の写真に注目。「マネジメントの父」と呼ばれる経営学の第一人者、ピーター・F・ドラッカー氏と立石さんが並んでいる。ドラッカー氏は立石さんのことを「彼ほど、技術のことを深く理解し、その方向性とイノベーションについて、明確なビジョンを持った人を、他に知らない」と語ったのだそうだ。

 

「Social Needs(ソーシャルニーズ)」と未来予測

次のパネルで語られる「ソーシャルニーズ」は創業以来オムロンが継承し続けている大切なDNA。

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ソーシャルニーズとは

潜在するニーズを感知し、社会課題を解決する技術・製品・サービスを世に先駆けて開発、提供していくこと

「潜在するニーズ」というまったく目に見えない、一体どこから手をつけたらいいのかわからないことを、さらに「世に先駆けて開発」とは。。。自分の感覚では予想すらつかないことで。。

創業者の立石一真氏は「SINIC理論」という未来予測理論を打ち出した。

企業としてソーシャルニーズを創造し続けるためには、技術の上に先を見通す力が必要だ、そんな強い信念から生まれた理論だ。1967年に研究グループを結成、1970年の国際未来学会で発表され、社会に大きな反響を呼んだ。

 

IMG_6418これが「SINIC理論」。科学と技術と社会の間には円環的な関係がある。新しい科学が新しい技術を生むと社会にインパクトをもたらし、社会のニーズが新しい技術の開発を促すことで科学にインパクトを与える。この2つの流れが互いに絡み合うことで社会が発展していく、という図。

SINIC理論は、社会を11段階に分けて予測している。これに基づくと、現在の日本は「最適化社会」に相当。精神的な豊かさや新しい生き方への社会ニーズが増大する段階と位置づけされている。

合っている。。間違いなく言い当てている。。1970年に、2015年の未来を予測できているのだ。占いではなく、徹底的に構築された理論で。。

鳥肌とお口あんぐりな状態から次のパネルより、SINIC理論に基づいてオムロンが開発してきた技術、製品、サービスが時代ごとにズラリ展示。

 

om04_IMG.jpgオートメーションの時代

オムロン創業の1933年から1960年ごろまでは、日本が独自の科学技術を生み出そうとしていた時代にあたる。この時代の社会的ニーズは「製造業の生産性向上」。オムロンはオートメーション(工場の生産工程自動化)に着手。

 

IMG_64231933年、創業者立石一真氏が独自に開発したレントゲン写真撮影用タイマー。当時はゼンマイ式で、時間計測が正確にできなかった。これは1/20秒で正確に撮影でき、鮮明なレントゲン写真を可能にしてしまった。これはオムロン初の製品にして、これからのチャレンジ精神の原点、そして技術の方向性を見定めたマイルストーン的存在。

 

IMG_6428 (1)レントゲンタイマーの生産が軌道に乗ったのを機に、タイマーに使用していた継電器を改良。一般向け配電盤用の継電器を開発し、販路を拡大。1934年に発生した室戸台風の風水害が各地の工場を襲い、復興のために保護継電器の需要が急速に高まった。これを機にオムロンは「継電器の専門工場」として社運をかけることになったのだ。

 

 

om05_IMG.jpg次に着手したマイクロスイッチ。東京帝国大学航空研究所からの要請を受け、オムロンは1943年、日本初の国産化に成功。サイズはマッチ箱の半分、開閉容量は交流10A、寿命は10万回以上。当時としては想像を遥かに超える性能の実現への試行錯誤は計り知れない。

 

そうして社会と科学と技術のあり方、そして未来を見つめてきたオムロンは1970年、「SINIC理論」を発表。ソーシャルニーズを創造しつづける強い信念を持ちながら次々とあらゆる開発に着手。

すべて解説、紹介してしまってはお楽しみが減ってしまうので、ここからは特にびっくりしたオムロンの開発をピックアップ。

om06_IMG.jpg(左)コインセレクター:数種類の硬貨の判別を可能にし、世界初の自動食券販売機の開発につながった。(右上)コインタイマー:硬貨を入れると一定時間電気機器を動作させるタイマー。公共施設の娯楽機やマッサージチェアなどの有料機器の料金管理に使われた。(右下)超音波スイッチ:超音波の反射で車両を検知する超音波センサーが、世界初の交通管制システムの開発につながった。

 

つまりは信号も、自販機も、マッサージ機もオムロンが開発してなかったら存在しないってこと!そしてさらに

 

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ATMはオムロンから始まっていたのだ!!

さらにさらにこちらをご覧あれ。

 

自動改札機である。自動改札機 券搬送モジュールの開発に着手したのがなんと1964年のこと。自動券売機、定期券発行機、自動改札機を生み出し、1979年にはそられを組み合わせた無人駅システムを実現したのはオムロンだったのだ!!

大声をあげたくなる気持ちを抑えたまま展示はまだまだ時代とともに続く。

 

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1969年には世界最小の卓上計算機を、1978年には電子血圧計、1983年には電子体温計「けんおんくん」を生み出し、健子機器産業のパイオニアとしても大躍進。

 

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人と機械の融和を実現させる機器たち。目に見えないところに存在する大きなチカラ。有り難すぎてため息がでます。ぜひ会場で説明プレートを読んでいただきたい。

まるで物語を読み進めていくかのような空間構成。
そのプロデュースを手掛けたのが、京都を舞台に開催される国際的な写真祭を主宰するKYOTOGRAPHIE。さすがの一言。

そんな素晴らしき空間で
オムロンの企業としての情熱をたっぷり味わい
2Fフロアへ移動することにした。

 

 

「最適化社会」の次。オムロンが目指す未来のはなし。

1970年に創業者、立石一真氏によって発表された「SINIC理論」によると、現在の日本は「最適化社会」となる。

「最適化社会」とは、人は精神的な豊かさや新たな生き方を探すようになってきた段階とされる。つまりは技術や科学の充実によって、「人が人らしく」という気風が生まれ、それが社会のニーズとして現れてきているということ。

オムロンは現在の社会ニーズをどのように捉え、次の未来を考えているのか。その答えが2Fフロアで実際に体験しながら理解を深めることができる

未来に示すオムロンのアプローチとは。まずは動画をご覧あれ。

人と機械の「協働」から「融和」へ。
「センシング&コントロール技術」+Think 
というコアメッセージ。

体感展示の中でもやっぱりすごかったのがこちら。

 

「センシング&コントロール」を体現しているパフォーマンス。制御していない状態の水はゆらゆら、制御状態に入った途端、水の表面の揺れが一気に収まるところに感動してしまった。

他にも「社会」「生活」「産業」という3つのチャンネルごとに体感展示ができるので、会場でぜひ。

「科学」や「技術」は一見、クールでスマートな印象をもっていたのだけど、コミュニケーションプラザを訪れてみて、オムロンに流れる熱い情熱と壮大なビジョンを見ることができた。

人がよりよく生きるために惜しみないパワーを注ぐ。

「未来は明るいなあ」そんな独り言とともに、コミュニケーションプラザを後にしたのでした。

 

IMG_65352Fに設置されているカウンター。備え付けのデバイスでオムロンの情報を得ることができる。日・英に対応。

 

オムロン コミュニケーションプラザ
住所:京都市下京区塩小路堀川東入 オムロン京都センタービル啓真館内(地図
電話:075-344-6092
開館時間:平日10:00〜16:00
休館日:土日祝日およびオムロンの休業日
入館料:無料
※入館にはWEBからまたは電話にて予約が必要です
WEB:www.omron.co.jp/about/promo/

オムロンのことをもっと詳しく知りたい方はこちら
OFFICIAL:www.omron.co.jp/
FACEBOOK:www.facebook.com/omroncorp

 

 

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