五 Itsutsu

詫びと寂び。土地と歴史への敬意。

数々の茶の湯の名人や武将たちと縁の深い大徳寺。数多くの塔頭が並ぶ広大な敷地を歩きながら、激動の時代を生きた人々の愛し育んできた日本の風雅、侘び寂びへの思いを強くする。そんな「和風」への思いを体現したかのような佇まいの「和久傳」二階、蕎麦と料理の店「五-いつつ-」にもそんな土地と歴史へのリスペクトを感じさせる趣がある。打ちっぱなしのコンクリートをベースに木の格子が組み合わされた外観と、大きな木のカウンターを中心とするミニマルな内装。蕎麦はおつゆか塩でと勧められる。 FullSizeRender 蕎麦そのものについての評価は人それぞれなので、行ってみてくださいとしか言えないが、興味をそそられたのは、おつゆや塩、そば湯などそれぞれの器たちだ。食べている間は蕎麦に集中し、食べ終わると器たちが主張をはじめる。特に意識すること無くそんな流れになっていた。 FullSizeRender (1) 茶室の意匠には無駄をそぎ落として一点に集中、際立たせる工夫がなされるというが、まさにこの場でも同じ現象が起こっていた。空腹を蕎麦で和らげ、その後ではじめてその空間が果たしている機能に気付く。前後の経験や立地、空間のデザインがストレートに「食」の体験の質を左右する。「食」にはストーリーがある。そんなことに気付かせてくれた。 〈五 Itsutsu〉 住所:京都市北区紫野雲林院28(地図 電話:075-495-6161 定休日:木曜日 営業時間11時30分〜20時(L.O.) 17時以降は予約可能

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