軟弱古書店

商店街の奥地に佇む、「山」への入り口。

  30-IMG_0927_1 京都で3番目に人通りが多いといわれる、伏見・大手筋商店街。 そこを西へ抜けて、酒蔵の町並みへ至る間に 昔ながらの風情が残る「納屋町商店街」がある。  

 

29-IMG_0926_1 そこからさらに、「なやまちセンター」という脇道に入ったいちばん奥にその古本屋さんはある。  

 

28-IMG_0923_1 「山・渓流釣り・アウトドア・放浪」の本専門の古本屋さん〈軟弱古書店〉。   02-IMG_0839_1 事前に情報がないと辿り着くのは難しい。 いわば、ローカル商店街の奥地である。 そのような立地でありながら 「山の本」専門の「古書店」。 さらには〈軟弱古書店〉という ユニークなネーミング。   言い方が適切か、ではあるんだけど、エッジーである。攻めている。もしや店主の方もなんというか尖った人なのではないか。ただ「軟弱」と書いてあるし…軟弱だけど尖った人なのかどうなんだろうかグルグル......     34-IMG_0911_1 実際お会いしてみると、そのどちらでもなかった。 こちらが店主の中山幹彦さん。穏やか。 山の雄大さと厳しさを体感し、 やさしくも芯があり「包容力」を体現したかのような オーラをまとっていた。   26-IMG_0906_1 中山さんは、元ホテルマン。 2001年、インターネットで古本屋さんをはじめた。 この実店舗は昨年2014年7月にオープン。 現在は週の半分、この本屋さんをオープンしていて また半分は、別の仕事をしている。 兼業農家ならぬ、兼業古本屋さんである。   03-IMG_0845_1 お店の構想のもととなっているのは 東京時代に通っていた書店『茗渓堂』(現在は閉店)。 「山関係や、世界のいろんな地図、 紀行文だけを置いてある本屋さんで こういう本屋がやれたらいいな〜とは漠然と思っていました」   04-IMG_0847_1

本はコーナーごとに、きちんと分けられている。

左側の1面に山の本がまとまっていて、

 

  14-IMG_0872_1 こちらの正面に見える棚には、渓流釣りの本が並ぶ。   09-IMG_0855_1 文庫本は中央の島に。     32-軟弱古書店_raw 現像1 さらにそのコーナーの中で、 細かいジャンルとあいうえお順にきっちりと本が並んでいる。 背表紙を目で追うだけでも楽しい。     08-IMG_0854_1 ちなみに、気になる「軟弱古書店」の店名の由来は、 体育会系だった探検部時代に使われていた言葉らしい。 「探検部では、弱音を吐いたりすると 「この軟弱者が!」といわれていたんです。

それだけじゃなく、新しい道具をつかったり

先輩らがつかっていないものを持っていたりするのも「軟弱者」

 

女の子に話しかけたりするだけでも

「あいつは気合が入ってない、軟弱や!」と(笑)」

   

 

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「登山はもはや、一部の人だけのストイックな世界ではなく

いろんな関わり方や楽しみ方があります。軟弱、にはそういう意味も込めています」

 

 

  24-IMG_0904_1 22-IMG_0901_1 (戦前の『山と渓谷』や表紙がなんともかっこよいスキー雑誌などもあった。)   21-IMG_0900_110-IMG_0862_1

山へ、森へ、渓流へ、放浪へ。すべての本が、「外へ」と誘う。

タイトルに惹かれて本を手にとり、

パラパラと眺める。

 

 

「読んでたら、出かけたくなっちゃいますよね」

と中山さんが微笑む。まさしくその通りである。

 

  01-IMG_0805_1 中山さんの思い入れがある一冊。東大を卒業するも就職せずに、北海道・知床半島を目指す渡部由輝さんの紀行文『北帰行』。   11-IMG_0864_1 戦後まもなく創刊し、300号続いた『アルプ』 登山にまつわる詩や散文、エッセイ等テキストがメイン。 登山のなかで、文学を見出す雑誌。     31-軟弱古書店_raw 現像 取材を半分ほっぽり出して、 「お客さん」になりだした僕をみて、 中山さんが一冊チョイスしてくれた。 アンクル米松のアウトドアピクチャーブック『ちょっと森に居ます。』(写真右下) 表紙がイケているだけでなく、内容も「山菜の見分け方と調理方法  / 春の星空観察 / 川魚の捌き方 / キノコ図鑑」などの充実具合とちょうど良いパッケージ感。   これ、いくらですか!   33-軟弱古書店_raw 現像-001 「ここにある雑誌は全部300円です」 ―マジですか!   16-IMG_0875_1 ―これはいくらですか? 「その箱は全部100円です」 ーひょえ〜! というやりとりを繰り返しつつ、 本を数冊購入させていただいた。 リーズナブルな値段設定の背景には 「本は循環してこそ価値がある」という想いによるもの。     05-IMG_0848_1 ひと口に「山」といっても、さまざまな関わり方がある中で 中山さんが「もっともぜいたくな関わり方」と考えるのが、 山を「描く」人である。   20-IMG_0899_1 「一枚の絵を描くのに、少なくとも30分、そこに立ち止まって山を眺める。贅沢な時間の使い方ですよね。」   〈軟弱古書店〉には 山ガールに森ガール、 ファッション化したアウトドア、 それだけじゃ物足りないよ、という人に もっと外へ、もっと奥へ、と駆り立ててくれる本が揃っている。

「(こういった本は)一部の人しか嬉しくないとは思いますが...」と中山さんはご謙遜気味だったけれど、

 

 

ここに来てワクワクしない男子がいたら、それこそ言ってやりたい。

「この軟弱者!」なんてね。

    28-IMG_0923_1 〈軟弱古書店〉 住所:京都市伏見区平野町75 なやまちセンター内(地図) 営業日時:店舗営業日 (※随時WEBサイトをご確認ください) WEB:http://www.yamanohon.jp BLOG:http://nakayama.blog2.fc2.com Facebook:http://www.facebook.com/yamanohon

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