新地湯

伏見の銘水を、全身で浴びる。

―文・写真 / 馬場健太

  31-IMG_1052_1 昭和の風情を残す中書島のまちなかで ひときわ存在感を放つ、洋風の建築物が目に入る。 それが昭和初期、1931年に創業した銭湯〈新地湯〉である。  

23-IMG_1040_1 18-IMG_1034_1 外観もさることながら、 中に入ると、80年余りの月日を感じさせるサインや 道具が見受けられる。  

20-IMG_1037_1 14-IMG_1020_1 女風呂側の脱衣所には 昔なつかしい、椅子ドライヤーがある。 その横にあったマッサージ機は、50年間(!)動き続けていて、なんといまも現役なのだそうだ。    

  05-IMG_0993_1 こちらが浴室。 毎日すみずみまで、丁寧に掃除されているんだろうなぁ、 というのがひと目でわかる清潔感。 まるで古さを感じさせない。  

06-IMG_0997_1 鏡に刻まれた広告のサインをみて あらためてその歴史を感じる。    

 

07-IMG_0998_1 03-IMG_0975_1 お湯は伏見の地下水、酒造りにも活かされる「銘水」である。種類は深風呂、浅風呂、ジェットバス、水風呂。男女ともに、スチームサウナもある。  

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オープン前だったが、特別にジェットバスのスイッチを入れてもらった。湯船には、ヘリのギリギリまでお湯がたまっている。そのため泡が出ると、湯船からはたちまちお湯が溢れだした。

 

  01-IMG_0966_1 「やっぱり、お湯がきれいなのがいちばん。それから、湯船のお湯はいつも満たん。ざぶーんってなみなみのお湯に入るの、気持いいやろ?」 そう語るのは2代目のご主人。 ご主人のホスピタリティに惚れ込んでか わざわざ遠方から通うファンも多い。  

  32-IMG_1053_1 銭湯は、長く続けていると 温水器やボイラーなど、ひとつずつ壊れていってしまう。 改修をすると、数百万円単位のけっこうな金額がかかるらしい。  

12-IMG_1012_111-IMG_1009_1 その改修費用と収益が、今の時代ではまず見合わない。 風情ある銭湯が、日本中から次々になくなっている理由はそこにある。   しかし新地湯のご主人は、最近壊れてしまった設備の 改修を行い、新しくした。    

16-IMG_1028_1 「100年は続けていきたいですからね」 いやまぁたぶん無理なんやどな(笑)」 冗談まじりに笑っていたご主人だけど、 その言葉の奥には、熱い気持ちが感じられた。   時代の変化で、お客さんは減る一方である上に、 現在娘さんに手伝ってもらってはいるものの、跡を継がせる予定はない。  

08-IMG_1000_1 21-IMG_1038_1 いつまで続けられるか見込みはない、 だけどいつでも 伏見のいい水を、湯船いっぱいにあたためて 待ってくれている銭湯がここにある。  

 

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新地湯は、京阪中書島駅から徒歩2分ほど。アクセスもすばらしく良いので、沿線にお住まいの方は、日々の生活のなかで銭湯通いを取り入れるのもオススメ。

また、観光で伏見を訪れた際も、おいしいお酒に酔いしれる前に 銘水を身体一杯に浴びて、心と身体をほぐしてみてはいかがだろうか。    

28-IMG_1049_1 〈新地湯〉 住所:京都府京都市伏見区南新地4の31(地図) 営業時間:16:00〜23:00 定休日:月曜日 入浴料:大人:430円 / 小学生:150円  / 乳幼児:60円  
駐車場2台あり

 

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