A perspective of editor girls

京都の編集プロダクションの編集部女子が、日々の面白い話題、発見などなど・・・気ままに京都の魅力を発信します。
Editing production girls in Kyoto are sending you the charm of Kyoto freely with funny stories and discoveries in their daily life.

編プロ女子/Editing production girls

京都の編集プロダクションの編集部ジョシより、コラムをお届けします。私どもは、『企画』『編集』『デザイン』を3本柱に、伝統と文化が息づく京都を本拠地にお仕事をしてきました。これまで得たたくさんの実りの中から、"京都の今"を切り取って京都の魅力をお伝えし、1人でも多くの方に京都を好きになっていただければと思います。

Editor girls at the editing production in Kyoto, write a column to you. We work with 3 cores ‘planning’, ‘editing’, and ‘design’ in Kyoto which their traditions and cultures are still alive. Through our plenty of great experiences, we are going to introduce ‘Now in Kyoto’ to you and we want as many people love Kyoto as possible.

2018.06.01 FRIDAY

さようならば、

長く京都で愛された名店が、その幕を閉じました。

『サロン・ド・テ オ・グルニエドール』。

言わずと知れた京都のパティスリーの名店です。

5月末に閉店されると前々から知っていたにも関わらず、まだ時間あるし大丈夫…と思っているうちにいつの間にか5月下旬を迎えていたので、最後の週末にあわてて行ってきました。(どうしていつもこう無計画なのか!)

オープンは11時。でも前日の土曜日の様子を見ていたら、開店と同時に行くのはダメそうだと思い、9時半に友人と現地にて待ち合わせ。

しかしながら四条通から堺町通に曲がった瞬間、あれ・・・?あの長い列ってもしかして・・・と肉眼で確認できるほどには、行列。わたしが着いたときはすでに50人ほど並んでいたでしょうか。

そこから並ぶこと3時間…。ようやく店内に案内されました。(しかし昨年の夏、神戸の御影高杉の閉店前に行った際5時間並んだことを考えると耐性がついたのか、あまり長く感じなかったんだな)

 ん~、やっぱりこの中庭、すてき。

 

わたしがいただいたのは、木苺のタルトとプリン。(ふたつも食べた…!)

ピラミッド食べたかったんですが、みるみるうちになくなっていったため、ありつけませんでした…。(目の前で、あと5つ、3つ、1つ…と減っていく様を見るのはなかなか辛いものでした)

なんでも、一番目に並んでいた人は朝の6時頃から待機していたのだとか。き、気合いが違うぜ…!

最後のグルニエドールのケーキを、ひとくちひとくち噛みしめていただきました。

 

元々グルニエドールさんのケーキが好きだったわたしですが(というか嫌いな人はいないよね??)、こちらのインタビューを読んで、すごく、さらに、好きだなと思ったことを思い出しました。

https://foodion.net/interview/kinzonishihara?lang=ja

パティシエである西原さんの半生を、ご自身の言葉で語っていらっしゃって、西原さんの人となりのようなものが見えたし、そんな西原さんから生み出されるケーキがより美しく尊いものに思えたものです。

どこまでもストイックで、生き方が真摯。48歳という決して早くはない独立、そして65歳で店を閉めることをはじめから決めていたという潔さ。なかなかこうは生きられないような気がします。

 

それと同時に、行列を覚悟してまで並ぶ人々を見ていたら、「ここまで閉店を惜しまれるお店って、そうそうないのではないかな」と思ったんですね。

そして、「惜しまれるぐらいに辞める」ことが、すごく理想なんじゃないかなと感じたんです。

それって、お店をたたむことだけではなくてなんにでも通ずると思うんですけども。たとえばスポーツ選手もそうだし、音楽家とか映画監督とか、なんでも。「もっとやってほしい」「もったいない」そう周りの人から惜しまれながら辞めるって、すごいなあと。周りからの期待も、自分自身の未練も、そういったものを全て振り切ることだから。

だからものすごい潔さと強さを感じるけど、でもそれって、続けてきたからこそ、なんですよね。継続することの美しさっていうのが、当たり前に根底にある。そうして、その続けた先に悔いなく(ゼロではないと思うけれども)辞めることができるというのは、すごく美しい生き方だなあと思わずにはいられないのです。

うーーん、あまりうまく伝えられないのですが、わたしもそういう生き方をしたいなあと思ったんでした。

 

終わることがあるならば、その逆のはじまりもあるというもの。

このグルニエドールの場所は、息子さんが別のお店としてオープンされるそうです。西原さんの技術を引き継ぎ、そこに新しい独自のテイストが加わった洋菓子が味わえるのでしょう。その日がすでに楽しみですね。

 

*** 

 

「さようなら」の語源が「左様ならば」だというのは皆さんご存知だと思いますが、この言葉、好きなんですよね。

「左様ならば、」あとに来る言葉は、「仕方ない」?「またいつか」?諦めにも似た気持ちで放たれる「左様ならば」。でもただ「諦める」というマイナスの意味ではなく、「受け入れる」。似ているようで全然ちがいますよね。

そんなことを、グルニエドール閉店を迎えて、思ったことでした。

 

だから、さようなら。また、どこかで。

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