「除夜の鐘」
もう年末となり、師走(しわす)と言います。師とはお坊さんの事で、お坊さんでも走り出す位、忙しく気忙しない時期と言う事です。お坊さんは、いつも坐禅のイメージかお経を読んでいるイメージからでしょうか。マメ知識
今回は除夜の鐘です。お寺では時の刻みを知らせる鐘を、梵鐘(ぼんしょう)や殿鐘(でんしょう)と呼びますが、大晦日の午前零時になると皆で鳴らします。除夜の鐘はテレビ放送もされます。
龍潭寺でも勿論行います。
鐘のあるお寺は殆どがされていると思いますが、最近では騒音問題となるケースもあるようです。確かに夜中ですからね。マメ情報
除夜の鐘「除夜の鐘は108回撞く。108は煩悩の数。」これは日本の中に浸透した知識です。しかし、人間の煩悩は実はそれ以上とも言われています。
心と身体をかき乱し、悩まし、けがすものとされています。数や中身も諸説あるようですから、今回は根本的な煩悩を紹介します。貧(とん)・瞋(じん)・癡(ち)と言われる物で、三毒(さんどく)とも言われる程の物です。人間の心身を毒すると言う事でしょうか。貧、自分が気に入ったら欲しいと執着する。むさぼりの心です。瞋、自分が気に入らない事への、いかりの心です。特に、このいかりは修行の中で大きな障害と言われます。癡、無知とも言われ、物事にたいしての迷いの心。愚痴(ぐち)と言います。むさぼりの心、いかりの心、迷いの心、確かに我々の中には本質的に有ると思います。しかし、これらに心身が取りつかれたとしたら、大変な事にもなり、逆に大変苦しい状態となるようにも思います。有るからこそ、無くそうとするバランスが良いかと考えます。
そして、この三毒や数えられない程の欲となる煩悩を何故、時を刻み知らせる鐘を撞く事で祓おうとするのか。自分自身に対する警鐘と考えます。1年の終わり1年の始まりに自信に警鐘を鳴らし、自分自身の中にある煩悩と言われる心へ警戒する事では無いでしょうか。
是非、大晦日はお近くのお寺へお出かけ下さい。