-another Kioto-
お月見とお団子
京都市在住、スペイン語通訳案内士のpukuが スペイン語圏の海外ゲストの方々とみつめる 「別視点の京都」をご案内します。
《005》お月見とお団子
すっかり涼しくなり、秋を感じる季節になりました。
9月末には中秋の名月にスーパームーンと、天候にも恵まれ美しいお月見を楽しむことができましたね。
ご存知の方も多いと思いますが、月の模様は見る国によって異なります。
日本では、もちろん「餅つきをするウサギ」。ちなみに、南欧ではカニに見えるそうです。
ウサギが餅をついているから月見団子を食べるわけではありませんが、秋は収穫の季節。その収穫に感謝をして、月を愛でながらお団子をいただきます。同じ月見団子といっても地域によって異なりますが、京都ではこし餡がまかれています。
この小豆やインゲン豆の種類から作られる『餡子』。
スペイン語圏のお客様にとっては、最初は不思議な食べ物に思えるようです。これらの食材は、彼らにとっても非常に身近なもので、主食に近い形で頻繁に食卓にあがります。でも日本では、まさか甘いデザートにしているとは露ほども想像していません。ですので、初めて口にする時は「けったいなことして・・・」と思って食べているんでしょうね。
夏の冷たい「おぜんざい」と、メキシコの豆料理「フリホーレス(frijoles)」
反対に『アロス・コン・レチェ(arroz con leche)』が、日本人が初めて口にする時に戸惑いを隠せないデザートでしょう。
これは、お米を牛乳で似た甘いおかゆにシナモンがかかったデザートです。スペイン語圏では非常にポピュラーなもので、こんなに美味しいものを食べないなんて勿体ない!と言われます。
食文化が違うと、こうも食材の扱い方に差がでるのですね。
もう少しで紅葉の季節。散策が一層楽しくなる時期がやって来ますね!
〈PROFILE〉
puku
メキシコでの2年半の通訳業務を経て、2015年春より再び京都での暮らしをスタート。現在は京都市在住。フリーランスのスペイン語通訳・翻訳・通訳案内士として日々京都を訪れる、スペイン語圏の旅行客の通訳・ガイドを行う。これまでに南極大陸を除く全大陸に足を踏み入れており、訪問国数は約30か国。国内旅行も好きで、これまで"旅先"として44都道府県を訪れる。