GIN「京都蒸溜所」

パイオニアとしての”プレミアムジン” 

文:末廣三矢子、写真:本間腕

 

“ジン”と言われれば何を思い浮かべるだろうか…?

ジントニック、ジンバック、ジンリッキー…、いずれにしても「カクテルベース」としてのジンという認識が大半であろう。しかし、それを覆す新しい”ジン”が京都に現れた。

 

今年夏、ジンに特化した蒸溜所が京都に誕生した。その名も「京都蒸溜所」。2016年8月に京都で初めてスピリッツの製造免許を取得した、日本初のクラフトジン蒸溜所である。京都でしか作れない、京都ならではの、スーパープレミアムジンを製造している。

記念すべきファーストプロダクトは、10月14日に解禁された「季の美 京都ドライジン」。”INSPIRED BY TRADITION”というキャッチフレーズのこちらの商品は、文字通り、京都の文化や歴史、京都が誇る素晴らしい素材、そしてそれらから感じるインスピレーションを、ジンを通して表現している。

「季の美」で注目すべきは、原材料と製造方法である。原材料は、京都をはじめ日本各地で厳選した「和」のエッセンスを使用。スピリッツには、通常のジン製造に用いられる雑穀や廃糖蜜ではなく、お米からつくられるライススピリッツ。水は京都の名水の1つである伏水(ふしみず)。そして重要なのが香り付けの役割を果たすボタニカルで、こちらでは計11種類のボタニカルの中でも、山椒、京都北部綾部のユズ、宇治の老舗の玉露など、京都のものを多く取り入れている。ボタニカルも製造当初は30種類からスタートしたものの、試行錯誤を重ね最終的に1番良い組み合わせの11種類に落ち着いた。

さらなるポイントが、製造方法だ。先述した11種類のボタニカルを実は6つのカテゴリーに分けて、それぞれを別々に蒸溜してからブレンドする「雅」製法を用いている。すべてをいっしょくたに蒸溜するのと比べ、それぞれの風味がしっかり残り、細かい足し引きの調節もしやすいのだとか。

 

さて、ウイスキー、ブランデー、焼酎など、数々の蒸溜酒がある中で、なぜ”ジン”なのか?運営元の株式会社Number One Drinks代表取締役であるデービッド・クロールさんは言う。「単にジンが好きというのもあります。ジンというと日本ではバーで、トニックウォーターなど何かで割ってカクテルとして飲むものというイメージがあると思いますが、海外ではストレートのジンと料理とのマッチングなど愉しみ方の幅も広がっています。日本でもこれから海外のようにジンの市場は伸びて行くと予想されます。そこで、日本のものづくりの歴史を支えてきたこの京都の地で、国産のスーパープレミアムなクラフトジンをつくろうと考えたんです」。

こうして出来上がった「季の美」。ひと口含むと柔らかでスーッと抜けていく爽やかな味わいが特徴。「余分な手を加えず、シンプルにロックや水割りなどで飲んでいただきたいですね」。このような飲み方ができるのも、手間暇を惜しまず様々な工夫を詰め込んで至高の味を追求しているからこそである。 

もちろんこだわっているのは味だけではない。ボトルは大阪・酒井硝子によるカスタムメイド。ラベルはKIRA KARACHO(雲母唐長)が文様監修した版木モチーフをあしらい日本の四季をイメージしたデザインと、京都の伝統をどことなく感じさせるビジュアルづくりにも手を抜かない。

 

「最近”クラフト”という言葉をよく耳にしますが、たまたま作ったものがたまたま良いものになったという意味での”クラフト”ではなく、原料から製造、ボトルのデザインまで、何度も失敗を重ねながら、最上のものを作りあげていく”クラフト”ジンを私たちは作っていきたいです」、とは、製造担当のディスティラー・元木陽一(もときよういち)さん。

 

こうして作り手の心意気を聞けば、京都という地の魅力と、ジンのますますの発展に懸ける彼らの今後にわくわくし、杯が進んでしまう。今宵は、いろいろな人の想いと努力の賜物で喉を潤してみよう。

 

京都蒸溜所

※「季の美 京都ドライジン」は順次全国の百貨店、酒販店で販売(希望小売価格5,400円(税込))

※イベント情報や詳細はHPへ

問い合わせ:お問い合わせフォームより受付

★TRAVEL IDEA「北大路・紫竹界隈をめぐる」の案内人、古川聡さんが営むバー「Mayday」にて、「季の美 京都ドライジン」を飲むことができますので、ぜひ足をお運びください!

★この記事は、京都を「A」から「Z」で考えるWEBマガジン『BEACON MAGAZINE VOL.3 ~AQUA in KYOTO』に掲載されています。ぜひこちらから他の記事もご覧ください。
『BEACON MAGAZINE VOL.2 ~CRAFTS of KYOTO』
→→『BEACON MAGAZINE VOL.1 ~宇治・伏見のA to Z』

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